在ロシア日系企業の「全面的な事業停止」が増加、ジェトロ調査

(ロシア、日本)

調査部欧州課

2024年02月26日

ジェトロがロシア進出日系企業を対象に2024年2月に実施したアンケート調査によると、現時点の事業ステータスについて、従来と同様に「一部もしくは全面的に事業(操業)を停止」と回答した企業の割合が最多となり、全体の6割を超えた(添付資料図1参照)。このうち、「全面的な事業(操業)を停止(いわゆる休眠を含む)」の回答は25.4%を占め、同じ問いをした2023年5月の調査と比べ9.2ポイント増となった。ロシアによるウクライナ侵攻から2年が経過し、依然として先が見通せない状況の中、ロシア事業の体制を縮小する動きからさらに踏み込み、活動を完全に停止せざるを得ない状況が見てとれる。

ロシア事業を一部なりとも継続している企業に、事業を継続する理由を聞いたところ、「撤退によって製品保証期間中の保証義務違反として訴訟を受けるリスクを回避するため」という回答のほか、資本取引規制により事業売却・撤退が困難になるなど、事業の完全停止や撤退のハードルの高さを指摘する声も多く上がった。

一部で改善も、景況感は低迷が続く

直近の活動の状況についても聞いた。自社の景況DI(注)は、2023年10月の調査時と比較して、8ポイント上昇し、2期連続での改善。ただし、指数は引き続きマイナスで、低迷の状況に大きな変化はなかった(添付資料図2参照)。

「ロシアによる報復制裁により、収益性事業ができない」「欧米日などの対ロ制裁やレピュテーションリスクなどにより、取引先の事業活動が縮小している」のように、制裁による悪影響を指摘する回答が目立った。その一方で、新規ビジネスは見込めないものの、「顧客は既存の機械・設備を延命活用する傾向にあり、これに対するメンテナンスの需要が旺盛」」というコメントのほか、マーケットの大きさや好調な市況から、ロシア市場の有望性は今でも変わらない、とする声もあった。

本調査は2024年2月1~11日の期間で、モスクワ・ジャパンクラブの加盟企業と一部の在サンクトペテルブルク日系企業の156社・団体を対象に実施。63社・団体から有効回答を得た(有効回答率40.4%)。

(注)景気動向指数:ディフュージョン・インデックス(Diffusion Index)の略。景況DIは、「良い」と回答した企業の比率から「悪い」とした比率を引いた数値。

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