パナソニックエナジー、米国で電池量産に向けオーストラリア・ノボニックスと人工黒鉛の長期調達契約を締結

(米国、オーストラリア、日本)

ニューヨーク発

2024年02月16日

パナソニックエナジーは2月9日、電池材料大手のノボニックス(本社:オーストラリア・クイーンズランド州)との間で、人工グラファイト(黒鉛)の長期供給契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。パナソニックエナジーは2025年から米国テネシー州のノボニックスの施設から4年間で1万トンを調達する計画だ。ノボニックスは同拠点での事業拡張のため、2021年11月に成立した米国のインフラ投資雇用法の下で1億5,000万ドルの助成金を得ている(2022年10月21日記事参照)。

黒鉛は、電気自動車(EV)に使用されるリチウムイオン電池の主要な負極材料。EV用には天然黒鉛、人工黒鉛が利用されるが、いずれも生産量では中国の占める割合が大きく、中でも人工黒鉛の負極材生産量は97%にも上る(ベンチマーク調べ)。インフレ削減法(IRA)などの下で、バッテリーサプライチェーンから中国を除いた生産体制の構築を目指す米国では、国内や北米などを中心とした黒鉛の生産、調達は大きな課題となっている。

パナソニックエナジーはパナソニッグループの事業会社制への移行の一環として2022年4月に設立。2031年までにリチウムイオンバッテリーの全生産過程で温室効果ガス(GHG)排出量を2022年比で50%削減することを目指している。ノボニックスでは、独自の生産技術により、従来よりも短期間での生産が可能となることから、二酸化炭素(CO2)排出量の削減に寄与すると期待されている。パナソニックエナジーは米カンザス州に建設中の新工場で2025年からEV用バッテリーの量産開始を目指す(2022年11月2日記事参照)。

(大原典子)

(米国、オーストラリア、日本)

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