トルコ中銀総裁が辞任、副総裁を後任に任命

(トルコ)

イスタンブール発

2024年02月06日

トルコ中央銀行のハフィゼ・ガーイェ・エルカン総裁は2月2日、誹謗(ひぼう)中傷などから自身の家族を守ることを理由に、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領に辞意を伝えたことを自身のX(旧ツイッター)で表明した。エルドアン大統領はこれを受け、エルカン総裁の辞任を認め、後任にファティヒ・カラハン副総裁の任命を発表した(2月3日付官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

エルカン氏は、トルコ初の女性中銀総裁として2023年6月に就任し(2023年6月12日記事参照)、約8カ月の在任期間中に政策金利を8.5%から45%外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにまで引き上げた。同氏に対しては、中銀内での氏の親族による「横暴な行為」や「私物化」といった告発が一部のメディアで報道されていた。中銀総裁の解任は2019年からの5年間で5人目となる。

メフメト・シムシェキ国庫・財務相は、エルカン氏の辞任は氏の「一身上の都合によるもの」とし、インフレ対策を優先する金融政策に変更はないとコメントした。

後任のカラハン新総裁はニューヨーク連邦準備銀行のエコノミストやアマゾンのチーフエコノミストなどの経歴をもち、2023年7月に中銀副総裁に就任した。カラハン氏は就任後、「中銀の主な目的と優先事項は物価の安定を達成することにある」と強調外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回の中銀総裁の交代は週末にスムーズに行われたこともあり、原稿執筆時点では、市場に動揺は見られていない。

(ディラ・イェネル)

(トルコ)

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