フランス最大の水素展示会「イボリューション・パリ2024」にジェトロが初出展

(フランス)

パリ発

2024年02月15日

フランス最大の水素展示会「Hyvolution Paris(イボリューション・パリ)2024外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が1月30日~2月1日、パリのポルト・ド・ヴェルサイユ展示会場で開催された。イボリューション・パリは、フランスの大手展示会事業者ジー・エル・イベンツ(GL events)と水素産業の業界団体フランス・イドロジェーヌが共催している。

近年は次世代エネルギーとしての水素への関心の高まりに加え、フランスでも2021年に開始された国家投資計画「フランス2030」の下、水電解装置のギガファクトリー建設など、水素製造に向けた投資プロジェクトが進められている(2023年12月7日付地域・分析レポート2023年6月26日付地域・分析レポート参照)。2023年12月には国家水素戦略(2020年9月策定)の改定案が発表され、1月19日までパブリックコンサルテーション(公開諮問)が実施された。フランスの政策動向や水素関連エコシステムへの国内外からの関心が高まっている。

こうした背景から、展示会の規模は拡大傾向にある。主催者によると、7回目となる今回、来場者数は1万1,503人と、2023年を46%上回って過去最高となった。国外からの来場者は前回の2倍以上と大幅に増加した。

写真 イボリューション2024会場(ジェトロ撮影)

イボリューション2024会場(ジェトロ撮影)

出展者は572社(うち30%は国外からの出展)を数え、エア・リキードやエンジーといったフランス大手エネルギー関連企業からスタートアップまで、幅広い参加があった。外国パビリオンでは米国、中国、ドイツなど25カ国が出展した。

会期中、ジェトロと意見交換を行ったオー・ド・フランス地域圏の関係者は、自動車産業などの集積を基盤に誘致に成功した5つのギガファクトリーや、進行中の大型水素プロジェクトなど、脱炭素社会に向けた地域内のサプライチェーン構築を可能とする要素に言及しつつ、製造業や水素関係の日本企業の進出や協業・連携への期待を示した。

ジェトロは、日本企業とスタートアップなど海外企業のオープンイノベーション創出のためのビジネスプラットフォーム「J-Bridge」の一環として、ジャパンパビリオンを初出展。パビリオンにはENEOS、川崎重工、関西電力、神戸市パリ事務所が出展した。

写真 ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

また、1月31日にリバースピッチイベントを実施。ENEOS、川崎重工、関西電力の3社が登壇し、欧州企業との協業連携の可能性を紹介した。

写真 リバースピッチイベント(ジェトロ撮影)

リバースピッチイベント(ジェトロ撮影)

次回のイボリューション・パリは、2025年1月28~30日の開催を予定している。

(森安矢)

(フランス)

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