2023年GDP成長率は2.9%と好調維持、農業、鉱業、輸出、個人消費が牽引

(ブラジル)

サンパウロ発

2024年03月13日

ブラジル地理統計院(IBGE)は3月1日、2023年通年の実質GDP成長率は前年比2.9%と発表した。2022年の実質GDP成長率は3.0%だったことから、2023年の実質GDP成長率は前年に引き続き好調を維持したことになる。

2023年通年の実質GDP成長率を産業別にみると、農畜産業が前年比15.1%増、工業が1.6%増、サービス業が2.4%増だった(添付資料表参照)。IBGEで国民経済計算コーディネーターを務めるレベッカ・パリス氏によれば、農畜産業は1996年以降の統計で最高の成長率になり、2023年第4四半期に大きな伸びがみられなかったものの、上半期に豊作だった大豆およびトウモロコシが通年の成長の押し上げ要因となった。

工業に分類される「鉱業」も前年比8.7%増と大きく増加した。IBGEによると、「鉱業」が増加した理由は、石油、天然ガス、鉄鉱石などの生産拡大によるものとしている。また、同じく工業に分類される「電気・ガス・上下水道・都市清掃」が6.5%増加した理由について、IBGEは、太平洋東側の赤道近くの海面水温が高くなるエルニーニョ現象の影響で気温が高くなり、電気および水道の消費が多くなったと説明している。

需要項目別にみると、GDPの約6割を占める個人消費支出が前年比3.1%増加した。パリス氏によれば、雇用改善、賃金上昇、インフレ低下、連邦政府による低所得者向け現金給付がその押し上げ要因となった。また、輸出が前年より9.1%増だった。パリス氏は、輸出の増加について、「農業、特にトウモロコシと大豆、そして鉱業の製品が牽引した」と説明した。

なお、IBGEが3月1日に発表した2023年第4四半期実質GDP成長率は、前年同期比で2.1%増加したが、前期比(季節調整済み)では0%と横ばいで推移した。

2023年第4四半期の前年同期比での実質GDP成長率を産業別にみると、農畜産業が0.0%、工業が2.9%増、サービス業が1.9%増だった。サービス業は、「金融仲介・保険」(5.6%増)、「不動産(賃貸業を含む)」(2.7%増)、「その他サービス」(2.4%増)、「行政・衛生・公共教育」(1.7%増)と、幅広い分野で伸びがみられた。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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