欧州特許庁、2023年の特許統計を公表、前年に続き出願件数は過去最多

(EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2024年03月21日

欧州特許庁(EPO)は3月19日、2023年の特許統計(Patent Index 2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。2023年のEPOへの特許出願件数は19万9,275件(前年比2.9%増)で、前年に引き続き過去最多となった。

技術分野別の出願件数の上位3分野は、デジタル通信(モバイルネットワーク関連技術を含む)、医療技術、コンピュータ技術だった。一方、全技術分野の中で最も大きな出願件数の伸びを示したのは、バッテリーなどクリーンエネルギー技術に関連する発明を含む電気機械、装置、エネルギー(前年比12.2%増)だった。

出願者居住国別の出願件数では、上位5カ国が米国、ドイツ、日本、中国、韓国で、特に韓国(前年比21.0%増)と中国(8.8%増)による出願が増加した。出願者所属先別出願件数では、上位10企業に、ファーウェイ(中国)、サムスン(韓国)、LG(韓国)、クアルコム(米国)、エリクソン(スウェーデン)、シーメンス(ドイツ)、RTX(米国)、BASF(ドイツ)、フィリップス(オランダ)、ソニー(日本)が入った。

EPOへの出願のうち、27%に女性発明者が含まれていた。特許出願件数が2,000件以上だった欧州特許条約(EPC)加盟国の中では、スペイン(46%)、フランス(33%)、ベルギー(32%)において女性発明家の割合が高かった。また、欧州からEPOへの出願のうち、23%は個人発明者または中小企業(従業員数250人未満)、8%は大学や公的研究機関からの出願だった。

2023年に付与された欧州特許の17.5%(1万8,300件以上)、2023年下半期に付与された欧州特許のうち22.3%で単一効(注)の申請がされた。国別の割合は、欧州の特許権者が25.8%と最も高く、米国、中国(ともに10.9%)、韓国(9.7%)、日本(4.9%)と続いた。

詳細については、欧州知的財産ニュースを参照。

(注)2023年6月1日から、統一特許裁判所(UPC)協定が発効し、欧州単一効特許とUPCのパッケージからなる欧州単一特許制度が開始された。欧州単一効特許は、EPOにおいて特許付与された欧州特許について、特許権者が単一効を申請することで付与される。

(鹿戸俊介、中村勇介)

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