ナイジェリアSUが来日、日本企業との関係強化望む声も

(ナイジェリア、日本)

ラゴス発

2024年03月22日

ジェトロは2月19~22日に、「日本・アフリカスタートアップロードショー」を開催した。2月20日にはカンファレンスを実施し、アフリカ最大の市場であるナイジェリアでのスタートアップ投資や協業に関心のある日本企業などから47人が出席した。また、期間中の4日間で、延べ80を超える商談が日本企業とナイジェリア企業の間で行われた。

このロードショーには、ナイジェリアの有望スタートアップや、地場の老舗ベンチャーキャピタル、アクセラレータの計8社が来日した(添付資料参照)。各社のピッチや質疑応答、ベンチャーキャピタルとアクセラレーターによるパネルディスカッションが催され、地場の主要な投資機関からナイジェリア市場の動向や展望が共有された。

写真 ピッチイベントの様子(ジェトロ撮影)

ピッチイベントの様子(ジェトロ撮影)

パネリストからは、ナイジェリアの投資概況について、投資件数は増加傾向にあり、アーリーステージの投資が引き続き進んでいることや、ナイジェリアを牽引するフィンテック分野では同分野が他業種スタートアップのインフラとして機能しており、新産業の創出に寄与しているとの指摘があった。さらに、映画や音楽などクリエーティブ産業では、ナイジェリアがノリウッド(注)やアフロビーツなど文化の発信拠点になっており、他のアフリカ諸国や欧米へのコンテンツ輸出や、ナイジェリアでの外貨取得の可能性があるとの声もあがった。日本企業との連携においては、参加したベンチャーキャピタル2社より、日本企業は中長期目線で戦略的提携を模索する企業が多く、今後の関係強化を望むとの指摘がなされた。

米国のパーテック・パートナーズの調査によれば、2023年のアフリカのスタートアップへの投資額は前年比46%減の35億ドルとなり、大幅な減少を記録した(2024年1月25日記事参照)。エクイティ・ファンディング(新株発行を通じた資金調達)では、南アフリカ共和国が5億4,900万ドル(前年比34%減)、ナイジェリアが4億6,900万ドル(59%減)、エジプトが4億3,300万ドル(45%減)となった。件数別にみると、ナイジェリアがトップの111件で、次いで南ア(83件)、ケニア(67件)となっている。

ジェトロは、日本企業とスタートアップなどの海外企業の協業連携のためのプラットフォーム「ジャパン・イノベーション・ブリッジ(J-Bridge)」を通じて、デジタルやグリーン分野におけるオープンイノベーションを推進している。会員登録はジェトロのウェブサイトから可能だ。

(注)ナイジェリアの映画産業や、ナイジェリアで制作された映画を指す。「ハリウッド」と、ナイジェリアの頭文字「N」を組み合わせた造語。

(柴田北斗)

(ナイジェリア、日本)

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