大連市金普新区、分散型太陽光発電向けファイナンスで先行

(中国)

大連発

2024年03月26日

中国・大連市政府の3月18日付の発表によると、興業銀行大連支店は大連市・金普新区において、中国国内初となる分散型太陽光発電事業の持続可能な発展を支援する融資を実施した。

今回、全国初の取り組みとなったのは、興業銀行大連支店が大連徳泰港能投智慧能源による分散型太陽光発電プロジェクトに対して1,630万元(約3億4,230万円、1元=約21円)を融資した案件となる。

各銀行には、顧客企業の気候変動対応の支援と同時に、気候変動リスクの管理も求められている中で、今回の事例ではその正当性確保のため、中誠信緑金科技(北京)が外部評価機関となり、当該融資に対する認証を行った。

興業銀行大連支店は、同プロジェクトによる発電容量、国家エネルギー局が発行する「再生可能エネルギーグリーン電力証書」の記載指標に基づき、プロジェクトの評価・測定や環境改善効果の評価を行う。同プロジェクトで目標指標を達成できれば、年間で二酸化炭素(CO2) を1万296.78トン、化石燃料を3,560.49トン、二酸化窒素(SO2)を1.25トン、窒素酸化物(NOx)を1.88トン、ほこり・ばい煙を0.27トンそれぞれ削減できることになる。企業が目標を達成できなかった場合には、プロジェクトの継続融資にあたって貸出金利の引き上げが要求される。

金普新区は、全国気候変動対応投融資試験エリア23カ所の1つに指定されている。興業銀行大連支店は同新区と協力して、カーボンファイナンス(注1)や炭素会計(カーボンアカウンティング、注2)、関連金融商品やモデルの革新など、同新区ならではの気候変動対応投融資を模索していくとしている。

(注1)排出権取引などの、温室効果ガス排出削減にかかわる金融を指す。

(注2)事業活動がどれだけ温室効果ガスの排出や削減に寄与したかを算定し集計する取り組み。

(李莉)

(中国)

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