2月の消費者物価指数上昇率は2カ月連続で減速

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年03月22日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は3月12日、2024年2月の消費者物価指数(CPI)上昇率が全国平均値で前月比13.2%だったと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。CPIの伸びは、2023年12月と2024年1月の25.5%増、20.6%増から徐々に減速している。前年同月比(年率)では276.2%増と、3カ月連続で200%超えとなっている(添付資料図参照)。

2月の前月比の伸び率を項目別にみると、季節によって価格が変動する生鮮食品や観光サービスなどの財・サービスは8.7%増、エネルギーや公共サービスなどの財・サービスは21.1%増、季節要因などを除いたコアインフレ率は12.3%増だった。

前月比の伸び率を費目別にみると、平均値を大きく上回ったのは、通信の24.7%増、交通の21.6%増、住宅・光熱・その他燃料の20.2%増の3つだ。交通は、公共交通機関利用料の値上げ、住宅・光熱・その他燃料は、電気料金の値上げが主な要因だ。CPIに占める比重が大きい食品・飲料(酒類を除く)は平均値を下回る11.9%増だった(添付資料表1参照)。

3月12日付の現地紙「インフォバエ」(電子版)によると、2月のCPI上昇率についてアルゼンチン政府は、「前月に比べて物価上昇が大きく減速した。現在直面しているインフレは、前政権による慢性的な財政赤字、紙幣増刷が原因だ」とした。その一方で、ルイス・カプート経済相が食品や日用品などの生活必需品の価格が高止まりしていることについての懸念を示しており、スーパーマーケット業界などに対し、これらの改善を求めたとも伝えている。

ジェトロが3月13日にブエノスアイレス市内で独自に行った価格調査(添付資料表2参照)によると、物価上昇が落ち着きを見せた品目もあったが、牛乳、食油、ビールなど、依然として2桁増となっている品目もある。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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