海南自由貿易港、「奨励類産業」の対象拡大

(中国)

広州発

2024年03月21日

中国の海南省新聞弁公室は3月13日、国家発展改革委員会などが同月1日に公表した「海南自由貿易港奨励類産業目録(2024年本)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(「産業目録2024」)に関する発表会を開催した。前バージョンの「海南自由貿易港奨励類産業目録(2020年本)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(2020年1月1日施行)に比べ、33件の産業分野を新規追加し、合計176件となった。文化観光、新エネルギー、医薬・ヘルスケア、航空宇宙、環境保護などを新たに奨励類産業に追加した。「産業目録2024」は3月1日に発効した。

海南省発展改革委員会の綦樹利書記兼主任は、奨励類産業の拡大が海南自由貿易港の産業発展に及ぼす影響について、「海南省のグリーン低炭素産業のサプライチェーンをさらに構築する。戦略的新興産業、とりわけ最近、中央政府が提出した新たな質の生産力(注)の重要な実践基地を構築するという計画を発展させるほか、国際旅行消費センターの建設などでも、重要な役割を果たせるだろう」と述べた。

海南自由貿易港では、エリア内で登記かつ実際に事業運営している企業が「奨励類産業」に該当する場合、企業所得税を15%に減税する。海南省財政庁の曹樹育副庁長は「2020~2023年にこの減税策が適用されている海南省企業は、減免税額が236億7,000万元(約4,971億円、1元=約21円)、年平均増加率は34%となり、企業の税負担は大幅に軽減された」とした。

国家税務総局海南省税務局の裴栄副局長によると、奨励類産業に該当する企業が所得税15%の優遇税率を申請する方法は「企業所得税の四半期ごとの事前納付と、年度確定申告の際にインターネット電子税務局の申告モジュールを通じて、自己申告で企業所得税の事前納付と年度確定申告の申告表の関連項目を記入すれば、優遇税制を受けることができる」と述べた。

(注)イノベーション主導によるハイテク、高効率、高い質という特徴を持った、新たな発展理念に合致した先進的な生産力を指す。

(汪涵芷)

(中国)

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