中央国家機関の2024年版パソコン調達基準を発表

(中国)

北京発

2024年03月29日

中国の中央国家機関政府調達センターは3月11日、「中央国家機関によるデスクトップパソコン、ノートパソコンの集中調達の基準更新に関する通知」(国機採[2024]7号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、即日施行した。

同通知では、以下の対象機関がデスクトップパソコンとノートパソコンを調達する際には、「デスクトップパソコン政府調達要求基準(2023年版)」(財庫「2023」29号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます「ノートパソコン政府調達要求基準(2023年版)」(財庫「2023」30号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、実際のニーズを踏まえつつ、今回の2024年版リストに相応し、CPUやオペレーティングシステム(OS)が安全かつ信頼性が高い(中国語では「安全可靠」)という測定評価要件を満たす製品を調達するように求めている。

  • 郷鎮(注1)レベル以上の党・政府機関
  • 郷鎮レベル以上の党委員会・政府の直属事業単位(注2)、ならびに党・政府機関に対して支援・保障を提供する部門が所在する事業単位

具体的には、CPUについては龍芯(Longxin)、飛騰(Feiteng)、兆芯(Zhaoxin)、華為鯤鵬(Huawei Kunpeng)、申威(Shenwei)などの中国ブランドと、インテル、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの国際ブランドをリストに掲載している。OSに関しては、麒麟、統信UOS、中科方徳などの国産OSのほか、ウィンドウズ10神州網絡版を掲載している。

他方、国際ブランドのCPU、OSを搭載したパソコンを調達する場合、関連管理要求を順守する必要があると明記している。

財政部と工業情報化部は2023年12月16日付で、デスクトップパソコン、ノートパソコン、サーバー、OS、データベースの政府調達要件に関する基準を発表しており、CPUやOSなどが安全で信頼性が高いという測定評価要件を満たす必要があることは同基準に明記していた。今回の通知は、以前の政策をより具体化し、実施したものと報じられている(「網易」3月13日)。

なお、在中国日系企業などで構成する中国日本商会の「中国経済と日本企業2023年白書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、政府調達や標準の策定などで外資系企業への公平な待遇実現を主要な建議の1つとして求めている(2023年6月16日記事参照)。

(注1)中国の行政単位で県より下位にあり、日本の町村に相当。

(注2)国が社会的公益を目的とし、国家機関もしくは国有資産を利用するその他の組織を通じて運営する教育、科学技術、文化、衛生などの社会サービスを行う組織。

(趙薇)

(中国)

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