CATL、EV向け長寿命バッテリーの研究開発で蔚来汽車と提携

(中国)

広州発

2024年03月25日

中国の車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は3月14日、電気自動車(EV)メーカーの上海蔚来汽車(NIO)とEV向け長寿命バッテリーの研究開発に関する枠組み協定を締結したと発表した。NIOは同日、新たなBaaSバッテリーサービス(注1)と15年長寿命バッテリーソリューションを発表した。

今回の枠組み協定において、両社は長寿命バッテリーの研究開発において共同研究を重ねることで技術的イノベーションを推進し、交換式車載バッテリーにおいて優先的に長寿命バッテリーの使用を加速させる。CATLはNIOに対し、より長寿命なバッテリーシステムを開発する。NIOの李斌創始者兼最高経営責任者(CEO)によると、現在EVのバッテリー保証期間は基本8年で、車自体の使用期間はバッテリーの保証期間より長いため、保証期間が終了するとバッテリーの使用可能な航続距離と安全性が大幅に低下するが、車自体はまだ使用可能だという。バッテリーの使用寿命をさらに向上させ、今後のユーザーのバッテリー保証期間終了後の高額な交換コストの負担を軽減する。

NIOによると、2025~2032年にかけて、累計約2,000万台のEVバッテリーが保証期間切れになるという。2024年は、2016年に生産されたEV車約42万台のEVバッテリーが保証期限切れとなる見込みで(注2)、2025~2032年にかけて大幅に増加することが想定される。ユーザーが高額なバッテリー交換コストなどの問題に直面するため、バッテリー寿命問題の解決は一刻の猶予もないとNIOは認識している。

CATLの発表によると、2023年の同社のバッテリー使用量は前年比40.8%増の259.7ギガワット時 (GWh)となり、全世界に占める割合は36.8%で7年連続1位になった。

(注1)同サービスは、NIOのユーザー向けのバッテリーレンタルサービスで、2020年8月にサービス開始以降、累計10万人のユーザーが利用している。

(注2)中国自動車工業協会の統計によると、2016年のEV生産台数は41万7,000台。EVのバッテリー保証期間を基本8年として換算。

(梁梓園)

(中国)

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