2023年通年のGDP成長率は1.31%、2024年の予測値は3.43%

(台湾)

調査部中国北アジア課

2024年03月06日

台湾の行政院主計総処は2月29日、2023年の実質GDP成長率を前年比1.31%と発表した。四半期ベースでは2023年第4四半期(10~12月)の成長率は前年同期比4.93%だった。2024年通年の成長率の予測値については3.43%とした(添付資料図、表参照)。

2023年の実質GDP成長率を需要項目別寄与度でみると、内需全体の寄与度は1.03ポイントだった。このうち民間消費が3.80ポイントで内需を牽引し、第4四半期は年末のセールや自家用車需要が好調だった。固定資本形成は、旅行需要の伸びから航空関連の投資は好調だったものの、製造業の投資は引き続き低調に推移し、通年ではマイナス2.44ポイントだった。

外需全体(純輸出)の寄与度は0.28ポイントだった。輸出の寄与度は、第4四半期から輸出の伸びがプラスに転じたものの、最終商品の需要が弱く、在庫調整に時間がかかり、通年ではマイナス3.02ポイントだった。輸入の寄与度は、半導体の設備投資が減少していることや、原材料の輸入も引き続き低調なことから、マイナス3.30ポイントだった。

2024年通年の実質GDP成長率の予測値は3.43%と、11月発表時から0.08ポイント上方修正された。寄与度については、内需が2.85ポイント、外需が0.59ポイントと予測。内需については、民間消費の寄与が最も大きく、給与の上昇によって可処分所得の増加が見込まれ、株高や旺盛な旅行需要などが牽引すると予測した。固定資本形成については、民間企業の投資はデジタル化やネットゼロ対応のための研究開発や製造プロセス改善関連を中心に行われるものの、大規模な投資には引き続き慎重とした。

外需については、世界的に消費者製品の需要が徐々に回復していることに加え、人工知能(AI)やハイパフォーマンスコンピューティング、車載電子などの商機も引き続き拡大していることから、輸出の回復が続くと予測した。輸入も、輸出と投資の伸びに牽引されるかたちで回復するとの見込みを示した。

(江田真由美)

(台湾)

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