バイデン氏とトランプ氏の直接対決は接戦の見通し、2024年大統領選挙世論調査

(米国)

調査部米州課

2024年03月11日

米国の2024年大統領選挙の候補者は、3月5日のスーパーチューズデーを終え、民主党のジョー・バイデン大統領、共和党のドナルド・トランプ前大統領に絞られてきた(2024年3月7日記事参照)。本選での両者の直接対決は接戦となることが、最近の世論調査でわかった。

マサチューセッツ州ボストンのエマーソン大学が3月7日、2024年大統領選挙に関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、バイデン氏とトランプ氏の直接対決を想定した問いでは、トランプ氏が45.3%とバイデン氏(44.7%)を若干上回った。「決めてない」割合は10%で、そのうち62.7%はバイデン氏を支持すると回答した。また、第3政党などの候補者がいる状況では、トランプ氏が43%とリードし、バイデン氏(42%)、ロバード・ケネディ・ジュニア氏(無所属、6%)、コーネル・ウェスト氏(無所属、2%)が続いた。

世論調査担当のスペンサー・キンボール事務局長は「この選挙は世論調査の標本誤差(2.6%)の範囲内で、どちらの方向に動く可能性もある。まだ決めてないとする有権者に(バイデン氏とトランプ氏の)直接対決で候補を選ぶよう求めると、バイデン氏が2ポイントのリードを得る。しかし、第3政党の候補者を考慮に入れると、トランプ氏がほぼ2ポイントの優位性を持つ」と分析する。

また、2024年大統領選挙でバイデン氏、トランプ氏を選択する理由を聞いたところ、バイデン氏を選択する理由は「トランプ氏が嫌い」(30%)、「バイデン氏が好き」(26%)、「(選挙の)争点を重視する」(21%)、「民主党支持者だから」(17%)の順であり、トランプ氏を選択することを忌避する理由が強かった。一方、トランプ氏は「トランプ氏が好き」(33%)、「争点を重視する」(31%)、「共和党支持者だから」(15%)、「バイデン氏が嫌い」(12%)の順だった。

英国の「フィナンシャル・タイムズ」紙(3月5日)は、米国の大統領選挙が直接選挙でなく、各州の選挙人が間接的に候補者を選択する点(注2)に触れ、本選がバイデン氏とトランプ氏の再戦になれば、それぞれに課題を抱える6つの激戦州(アリゾナ州:移民、ジョージア州:選挙妨害、ミシガン州:イスラエル(2024年3月11日記事参照)およびグリーンエネルギー、ネバダ州:失業率および経済、ペンシルベニア州:ラストベルト復興、ウィスコンシン州:人工妊娠中絶)の結果で、選挙が決着するとしている。

(注1)実施時期は2024年3月5~6日。対象者は、全米の登録有権者1,350人。

(注2)11月の有権者による一般投票数で1票でも多く獲得した党がその州の選挙人団を総取りするため(2州で例外あり)、一般投票数で上回っても、選挙人数が多い方が勝利する結果になり得る。

(松岡智恵子)

(米国)

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