新首相を選出、総選挙の公平性スコアは直近3回で最低

(パキスタン)

調査部アジア大洋州課

2024年03月13日

パキスタンの連邦下院は3月3日、新首相にパキスタン・ムスリム連盟ナワーズ派〔PML(N)〕のシャバズ・シャリフ氏を選出した。シャリフ氏は、2023年8月に選挙管理内閣(暫定内閣)が樹立されるまで首相を務めており、事実上の続投となる。なお、PML(N)党首を務めるナワズ・シャリフ氏は、同氏の実兄だ。

2024年2月8日に実施された総選挙では、汚職や機密情報漏洩(ろうえい)の罪などで有罪判決を受け収監されている、イムラン・カーン元首相の野党パキスタン正義運動(PTI)が支援する無所属候補が多く含まれる「無所属」が101議席を獲得し最大勢力となったが、いずれの政党も過半数の議席を獲得できなかった(2024年2月19日記事参照)。これを受け、75議席を獲得したPML(N)と54議席を獲得したパキスタン人民党(PPP)が連立政権を樹立することで合意していた。

なお、パキスタン政府機関のPakistan Institute of Legislative Development and Transparency(PILAD)が3月6日に公表した報告書によれば、今回選挙の公平性指標(スコア)が2018年選挙時の52%から3ポイント低下し、直近3回の総選挙における最低値の49%となった。

(深津佑野)

(パキスタン)

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