愛知県に日本最大のインキュベーション施設オープンの予定、同県が中国スタートアップにPR

(中国、愛知)

上海発

2024年03月05日

名古屋市で2024年10月に新たなスタートアップインキュベーション施設「STATION Ai」の開設を予定している。延べ床面積2万3,600平方メートルの7階建てで、規模は日本最大級となる。スタートアップの入居者専用のメンバーゾーンと、一般向けに開放するパブリックゾーンで構成するとともに、入居者間や支援企業との情報交換やオープンイノベーションの活性化を図る構造となっている。

愛知県は2018年に「Aichi-Startup戦略」を策定し、海外のスタートアップ支援機関とのネットワークを構築しており、現在7カ国16のスタートアップ支援機関・大学・地域と連携している。中国では清華大学、上海交通大学、浙江大学とMOUを締結し、連携事業を実施している。具体例を挙げると、清華大学の関連組織のTusホールディングスと連携し、同県のスタートアップの中国進出支援や、中国スタートアップと県内企業とのマッチングを支援している。

「STATION Ai」の開設を前に、同県は中国との連携にさらに注力している。2023年12月には県内のスタートアップが北京市と上海市を訪問し、中国企業や投資機関に向けてピッチを行った。

ジェトロが2023年12月20日に開催した「中国スタートアップのための出海日本セミナー」では、愛知県経済産業局海外連携推進課の堀部誠治主任がオンラインで登壇した。堀部氏は、同県が誇る自動車産業は電気自動車(EV)、自動運転、Maasといった新技術による転換期を迎え、ビジネスの好機だと強調した。また「STATION Ai」オープンに先立ち、名古屋駅近くに設置した「PRE-STATION Ai」に、海外スタートアップ10社を含む282社(当時)が既にメンバーとして登録されており、海外スタートアップの誘致や、ベンチャーキャピタル(VC)に向けた定期的なイベントなどの活動を行っていると紹介した。このセミナーに参加した中国スタートアップ78社111人に対し、「STATION Ai」を日本での活動拠点として活用する利点を訴えた。

(侯恩東)

(中国、愛知)

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