ハリス米副大統領がイスラエルの野党党首のガンツ前国防相と会談

(米国、イスラエル、パレスチナ)

テルアビブ発

2024年03月06日

米国のカマラ・ハリス副大統領は34日、イスラエルの戦争内閣に参加している野党「ナショナル・ユニティ」党首のベニー・ガンツ前国防相とホワイトハウスで会談した。

ホワイトハウス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ハリス副大統領は、ハマスによる2023107日のテロ攻撃と、米国市民を含む人質の拘束をあらためて非難した。また、現在も続くハマスのテロの脅威に直面するイスラエルの自衛権に対する米国の支持をあらためて表明し、イスラエルの安全保障に対する米国の揺るぎないコミットメントを強調した。一方、ガザ地区の人道的状況や、ガザ地区北部で最近発生した支援物資を巡る惨劇について深い憂慮を示した。ハリス副大統領は、人質交渉の緊急性について議論し、人質交渉に対するイスラエルの建設的なアプローチを歓迎する一方、ハマスに対し、人質を解放すれば直ちに6週間の戦闘休止が実現し、ガザ全域で人道支援の急増が可能になるという条件を受け入れるよう求めた。

ガンツ氏はX(旧ツイッター)への投稿で、ハリス副大統領との会談の中で、ハマスがイスラエルにもたらす脅威を取り除くという任務を完遂すること、人道支援がハマスではなく一般市民に届くようにするための持続可能な解決策を見つけること、さらに、中東地域全体の安定と繁栄を可能にする方法でガザにおける全ての軍事的目的を完遂することの重要性を伝えたとした。

写真 ハリス副大統領との会談に関するガンツ氏のX(旧ツイッター)でのコメント画面

ハリス副大統領との会談に関するガンツ氏のX(旧ツイッター)でのコメント画面

イスラエルの現地紙「ハアレツ」(3月4日)は、ガンツ氏のワシントン訪問は、ガンツ氏の外遊を許可しなかったベンヤミン・ネタニヤフ首相との間に緊張をもたらしたと指摘した。ネタニヤフ首相は、駐米国イスラエル大使のマイケル・ヘルツォーク氏に対し、ガンツ氏の訪問中はガンツ氏を支援せず、会談にも参加しないよう指示したという。

なお、米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は3月5日の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、ハリス副大統領とガンツ氏の会談は「ガンツ氏の要請によるもの」とした上で、「(ガンツ氏は)戦争内閣の一員であり、われわれがイスラエルを支援する方法やイスラエルに期待することについて、戦争内閣と話し合う良い機会だと考えた」と述べた。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(米国、イスラエル、パレスチナ)

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