紅茶の産地スリランカで日本茶PRイベント開催

(スリランカ、日本)

コロンボ発

2024年03月28日

建設関連資材や食品などの輸出入事業を手がけるT&R(ティーアンドアール、本社:愛知県新城市)は3月15日、スリランカ・コロンボ郊外のマウントラビニア・ホテルで、日本茶のプロモーション(PR)イベントを開催した。同イベントには、マヒンダ・アマラウィーラ農業相やS.M.マリッカー国会議員らの招待者やホテルのゲストなどが参加し、茶道の講師が日本茶の味わい方を紹介するとともに、抹茶や玉露、煎茶、和菓子などを振る舞った。参加者からは、「日本の緑茶は本格的な味わいでおいしい」といった声が上がった。

同社代表取締役の安形代介氏はジェトロのインタビューに「スリランカは経済危機など苦しい時期が続いており、お茶で一服してほしいという思いも込めてイベントを開催した。このイベントやSNSでのプロモーションなどを通じ、現地市場で日本茶の認知度を高めた上で、スリランカでの輸入時の関税や規制に注意しながら、今後、日本茶の輸出に本格的に取り組んでいく。紅茶の本場のスリランカ市場で成功すれば、日本茶のブランド価値が向上すると期待している」と話した(インタビュー:3月15日)。

イベントで提供した日本茶を愛知県岡崎市で栽培する宮ザキ園当主の梅村篤志氏は「当園の日本茶は無農薬で栽培している。スリランカでは茶の無農薬栽培が一般的ではないので、健康への関心が高い消費者に訴求できると期待している。茶器や掛け軸、茶室などから構成する伝統的な日本の茶文化もスリランカに伝えていきたい」と語った。

財務省貿易統計によると、2023年の日本からスリランカへの茶(HSコード:0902)の輸出額は2,747万4,000円だった。スリランカで外国産の茶を輸入するには、輸入ライセンスを取得する必要がある。加えて、輸入時には関税が20%、付加価値税(VAT)が18%、輸入税(CESS)が10%、社会保障負担賦課金(SSCL)が2.5%別途かかるほか、包装の内容量が4グラム未満の香りの付いていない茶には、港湾・空港開発税(PAL)も10%かかる(注)。

写真 日本茶について説明する茶道の講師(ジェトロ撮影)

日本茶について説明する茶道の講師(ジェトロ撮影)

(注)例えば、4グラム未満に包装された茶のCIF価格を1キログラム=4,400スリランカ・ルピー(約2,200円、1スリランカ・ルピー=約0.5円)とした場合にかかる税は、添付資料表のとおりになる。計算式の詳細はスリランカの関税制度を参照。また、実際の輸入時の税率は必ず税関に確認を。

(大井裕貴)

(スリランカ、日本)

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