英政府、プラスチック含有ウェットティッシュの供給・販売を禁止する法案発表

(英国)

ロンドン発

2024年04月25日

英国政府は4月22日、プラスチックを含有するウェットティッシュの供給と販売を禁止する法案を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

この法案は、プラスチック汚染への対処と水路の浄化を目的としている。プラスチック含有ウェットティッシュは時間の経過とともにマイクロプラスチックに分解され、健康被害や生態系に影響を与える。政府の実施した最近の調査結果では、英国全土の海辺100メートル当たりに平均して20枚のウェットティッシュが見つかった。

同法案は1990年環境保護法の下の二次立法で提出される予定で、イングランドでは夏季休暇時期前の施行、北アイルランド、スコットランド、ウェールズでは秋までの施行を目指している。また、法案成立から18カ月の移行期間を設けることも決定している。さらに、プラスチック含有ウェットティッシュの製造は禁止しないとしつつ、製造業者に対しては引き続きプラスチックを含まないウェットティッシュ製造への移行を促すとしている。

医療用消毒目的など、代替製品がない場合、プラスチック含有ウェットティッシュを引き続き入手可能とする適用除外の対象製品を定め、適用除外の必要性を定期的に見直すとしている。

テスコ、アルディ、ブーツなどの大手小売事業者は既にプラスチック含有ウェットティッシュの販売を終了している。

政府が発表した今回の法案について、野党・労働党からは不十分との批判が出ている。同党はプラスチック含有ウェットティッシュの製造・供給・販売の全面的な禁止を求めている。併せて、与党・保守党が最初にプラスチック含有ウェットティッシュの禁止を公約したのは2018年として、対応の遅さを批判している(「スカイニュース」4月22日)。

(奈良陽一)

(英国)

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