米ニューヨーク州との半導体協業支援、ジェトロ主催

(米国、日本)

調査部国際経済課

2024年04月19日

ジェトロは418日、米国ニューヨーク(NY)州経済開発公社(Empire State DevelopmentESD)との共催で、同州の半導体関連企業などを招待し、日本企業向けのピッチやネットワーキングイベントを開催した。日本企業と海外スタートアップとの国際的なオープンイノベーション創出などを目指すJ-Bridgeの一環。

イベントには、NY州の現地企業などが11社、日本からは企業関係者44人が参加した。ESDのケビン・ユーニス最高執行責任者(COO)は冒頭、同州が1980年代から産官学連携による半導体製造開発の取り組みを進めてきたとして、「NY州は半導体エコシステムの中心地」と強調した。米国半導体工業会(SIA)によると、ウルフスピードやマイクロン、グローバルファウンドリーズといった複数のチップメーカーが同州に生産拠点を有する。最近でも、マイクロンによる同州クレイでの最大1,000億ドル相当の大型工場新設(2022年10月6記事参照)や、グローバルファウンドリーズの同州での投資に対するCHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)による助成(2024年2月21記事参照)が発表されている。ユーニス氏は、州政府自体もCHIPSプラス法を補完する100億ドル規模の投資優遇策「グリーンCHIPSプログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を設けており、同州の半導体産業集積を加速する一助になっていると紹介した。

写真 登壇するESDのユーニスCOO(ジェトロ撮影)

登壇するESDのユーニスCOO(ジェトロ撮影)

今回のイベントでは、NY州で半導体の先端パッケージング関連素材を扱う企業や、半導体の回路の原板となるフォトマスクの加工企業、線幅の狭い数ナノメートルの先端半導体向け検査技術を扱う企業などがピッチを行った。ピッチ後のネットワーキングでは、NY州アルバニーの先端半導体研究開発の支援機関NY CREATESも加わり、日本企業関係者との対話が行われた。

写真 ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

NY CREATESのポール・ケリーCOOは「アルバニーで日本企業とともに成長し、日米で実りある関係を構築できる」と一層の連携に期待を示した。ジェトロの仲條一哉理事は「NY州と日本でお互いを補完しながら(半導体)市場を形成していくことで、ウィンウィンの関係を築くことが求められている」として、ジェトロとしても日米協業支援を強化していく方針を示した。

(藪恭兵)

(米国、日本)

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