3月の消費者物価上昇率、前年同月比マイナス0.47%、6カ月連続のマイナス

(タイ)

バンコク発

2024年04月26日

タイ商務省が4月5日に発表した3月の消費者物価指数(CPI)上昇率(前年同月比)はマイナス0.47%となった。前月(マイナス0.77%)からマイナス幅は縮小したものの、6カ月連続でマイナスの状態が続いている。同省によると、在庫過剰によって食肉や生鮮野菜など生鮮食品の価格が低下したことや、政府による電気やディーゼル燃料の価格抑制措置などが影響した。また、電化製品と清掃製品の価格低下が続いているものの、その他の財やサービスの価格については、安定した推移を示している。

価格の振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数の上昇率は0.37%で、前月(0.43%)からわずかに減少した。

同省は、2024年第2四半期(4~6月)のCPI上昇率は増加すると見込んでいる。具体的な根拠として、原油価格が上昇傾向にあり、前年同期比、前期(2024年第1四半期)比ともに、通貨バーツが下落していることがある。また、前年に施行していた政府の電気料金値下げ措置が終了したことや、観光業の拡大に伴う価格上昇圧力なども挙げられる。

商務省は2024年通年のCPI上昇率予測を0%~1.0%(中央値0.5%)と、前回予測のマイナス0.3%~1.7%(中央値0.7%)から下方修正しており、タイ中央銀行が設定するターゲットレンジ(1~3%)を引き続き下回る見通しだ。

(藤田豊)

(タイ)

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