天奇自動化工程、長安汽車、重慶長安と電池のリサイクルを行う合弁会社を設立

(中国)

成都発

2024年04月30日

中国江蘇省に本社を置くリチウム電池のリサイクルやスマート物流サービス開発などを手掛ける天奇自動化工程(以下、天奇自動化)は4月17日、中国自動車大手の長安汽車集団、重慶長安汽車と電池のリサイクルおよび回収に関する「合資合作協議」を締結、3社は重慶市で、電池のリサイクルを行う合弁会社(会社名:辰致安奇循環科技)を設立すると発表した。合弁会社では、電池の回収や再利用などの事業を行い、重慶市でプロジェクトを3期に分けて実施する。2025年(1期目)は、中国西南地域で電池のリサイクルにおいてベンチマーク企業となることを目標としている。

現地メディアの報道によると、合弁会社の登録資本金は1億8,000万元(約38億円、1元=約21円)で、うち天奇自動化が49%、長安汽車集団が31%、重慶長安汽車が20%を出資する(「財聯社」4月17日)。

天奇自動化は、今回の2社との連携を通して、長安汽車の製造、販売、使用済み電池の回収、電池材料の販売などの強みを生かしながら、自社のリチウムイオン電池リサイクルの技術や高い生産管理能力を発揮するとしている。リチウム電池のサプライチェーン構築と「新たな質の生産力」の形成を目指すとした。

一方で、長安汽車の朱華栄董事長は4月19日に開催された決算説明会で、自動車産業は変化や競争が激しくなっており、コア技術、イノベーション、他社との連携などが重要だと強調した。長安汽車は中国リチウム電池大手の寧徳時代新能源科技(以下、CATL)と共に、四川省宜賓市でリチウム電池工場を設立し、2023年11月に操業を開始させている。また、同社は既に先端電池技術分野の研究院を設立しており、ハイエンド人材の確保や研究開発費用の投入などを行い、半固体電池と全固体電池用材料の開発やプロセス研究などにも注力していくとしている。

(王植一)

(中国)

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