1~3月期の失業率は3.0%、5期ぶりに0.1ポイント上昇

(香港)

香港発

2024年04月26日

香港特別行政区政府統計処は4月18日、2024年1~3月期の失業率(季節調整済み、速報値)について、2023年12月~2024年2月期から0.1ポイント上昇の3.0%と発表した(添付資料図参照)。5期ぶりの上昇となる。

業種別にみると、全業種の雇用状況は前期から悪化した。最も悪化したのは「小売り・宿泊・飲食サービス」」(前期から0.4ポイント上昇の3.8%)、次に「製造」(同0.3ポイント上昇の3.2%)だった。

年代別にみると、全年齢層の雇用状況は前期から悪化した。「15~19歳」(前期から0.9ポイント上昇の8.1%)の雇用状況が最も悪化し、「20~29歳」(同0.6ポイント上昇の6.2%)が続いた。

香港政府労働・福祉局の孫玉菡(クリス・サン)局長は「失業率は前期から0.1ポイントとわずかに上昇したが、3.0%と依然として低水準にある」と強調し、今後の見通しについて「域内経済の持続的な成長に伴い、労働市場は短期的には逼迫した状態が続くと見込まれる」との見方を示した。

香港中文大学アジア太平洋ビジネス研究所の名誉研究員を務める李兆波(サイモン・リー)エコノミストは「来港客数は増加し続けるが、日帰り旅行の傾向が見られることから、飲食やホテル業界の景気回復への影響は限定的で、雇用状況にも影響が出ている。市場は不透明で、失業率は引き続き微増するだろう」との見方を示した(「経済日報」4月19日)。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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