四川省、水素エネルギー産業発展促進方案を発表、FCVの高速道路通行料金無償化へ

(中国)

成都発

2024年04月25日

中国四川省の経済情報化庁は4月17日、「四川省水素エネルギー産業サプライチェーンの発展と応用促進の行動方案(意見募集)」(アクションプラン)を発表した。同プランでは、2027年までに水素エネルギーハイエンド設備の機能と中核技術の向上、基礎材料や基幹(コア)部品の自給率をさらに高めることなどを挙げている。また、水素の製造、貯蔵、輸送、充填(じゅうてん)、応用といった産業サプライチェーンを構築するとした。具体的には、水素エネルギー産業技術のイノベーションを推進し、燃料電池の製造コスト削減を行うなど、経済合理性を担保するとしている。

アクションプランでは、水素エネルギーの応用について、鉄道輸送、船舶、航空、低空飛行などの分野で展開を図るとしている。ほかにも、冶金(やきん)や建築材料、化学工業の分野でグリーン水素の応用を拡大させるほか、各企業のグリーン水素の製造を支援し、再生可能エネルギーと化学工業の融合を促進する。

また、燃料電池自動車(FCV)の導入を運搬車両、路面清掃車、バス・タクシーなどの旅客自動車で優先するほか、四川省内でFCVの高速道路通行料金の無償化を初めて発表した。

プラン発表前日の16日、四川省成都市で「グリーン水素エネルギー産業サプライチェーンの発展と応用促進のための工作会議」が開かれた。同省の黄強省長は「四川省ではこの産業を発展させるために、産業サプライチェーンの構築と応用を積極的に促進し、新たに産業競争力の強化と未来産業の創出に向けた取り組みを行う」と強調した。

(王植一)

(中国)

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