政策金利を6.50%に引き下げ、2024年成長率予測を上方修正

(チリ)

サンティアゴ発

2024年04月05日

チリ中央銀行は4月2日に行われた金融政策決定会合で、政策金利をこれまでの7.25%から75ベーシスポイント(%で0.75ポイント相当)引き下げ、6.50%とすることを決定した(添付資料図1参照)。利下げは6会合連続で、政策金利は約2年ぶりの低い水準となった。

中銀によると、2023年の消費は年間を通じて振るわず、投資は下半期に大幅に減少したが、2024年はこれまでのところ予想を上回る経済成長を示している。2月の経済活動指数(IMACEC)は前年同月比4.5%を記録し、鉱業やサービス業をはじめとして、全ての部門がプラス成長に寄与した。労働市場に関しては、雇用と労働参加率は緩やかに改善し続けているが、失業率は依然として過去の平均水準をやや上回っている。家計と企業の景気見通しは2024年に入って若干改善しているが、悲観的な見方に変わりはない。

インフレ率に関しても、中銀の予想を上回っており、2月の消費者物価指数の上昇率は前月比0.6%、前年同月比4.5%だった(添付資料図2参照)。費目別では、特に交通や住宅・光熱費の項目で、航空旅客輸送や自家用車用燃料、家賃、ガスなどの価格が上昇した。

4月3日に発表された中銀の金融政策報告書では、最近の動向を踏まえ、2024年のGDP成長率見通しが2~3%に上方修正された(2023年12月時点での予想は1.25~2.25%)。また、2025年と2026年は1.5~2.5%と予想されている。併せて、2024年末時点でのインフレ率の予想についても、年率3.8%に引き上げられた。

中銀は今後も金利の引き下げが続くと予想しているが、利下げ幅とそのタイミングは、マクロ経済シナリオの展開とインフレの影響を考慮するとしている。次回の金融政策決定会合は5月22~23日に開催される予定。

(大塚優希)

(チリ)

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