浜松で、台湾オープンイノベーションセミナー・ネットワーキングイベントを開催

(静岡、台湾)

浜松発

2024年04月02日

ジェトロは3月12日、静岡県浜松市において台湾にフォーカスしたオープンイノベーションセミナーおよびネットワーキングイベントを開催した。台湾で活発な動きを見せるスタートアップ(以下、SU)の実態や、台湾のエコシステムの特徴と日台アライアンスの進め方について詳しく解説した。また、日本側のSUや企業によるピッチを実施したほか、会場参加者による自己紹介後には海外における具体的なビジネス展開を考えるネットワーキングを開催した。

まず、台北市電脳商業同業公会(TCA)東京事務所の吉村章駐日代表が、台湾SUやエコシステムの状況を解説し、台湾企業との連携・協業におけるヒントを提供した。講演では、台湾は親日的である一方で、台湾企業とビジネスをするために理解すべきポイントとして、(1)スピード感を重視、(2)相手の強みを重視、(3)100点満点の事業を目指す必要はなく、80点の状態でも事業を開始し、足りない20点を補うパートナーを探す、などを説明した。

その後、サインクリエイト(浜松市)、eve autonomy(袋井市)、エムベステック(浜松市)の3社からピッチ形式で、自社の取り組みが紹介された。総合看板の企画・設計・施工を行うサインクリエイトは、耐久性の高い太陽光発電の常夜灯事業に携わってきた技術を生かし1人乗り小型電気自動車(EV)を開発、その取り組みを紹介した。自動運転EVを用いた屋内外対応型自動搬送サービスを提供するeve autonomyは、自社の取り組み、顧客の課題に対するソリューションや事業モデルなどについて紹介した。エムベステックは台湾に本社を置く、産業用組み込み機器向けフラッシュストレージ製品およびソリューションの専門技術会社EmBestorが浜松市に設立した子会社であり、自社の商品や日本における事業目的、浜松を拠点として選んだ理由などを紹介した。

ネットワーキングでは、会場参加者から、海外展開に向けた課題やセミナーへのコメントを含む自己紹介を行ってもらい、共通の意識をもつ事業者間で情報交換や意見交換、海外展開実績や商材の垣根を越えた交流がなされた。

会場参加者へのヒアリングやイベント終了後に実施したアンケートでは、「台湾企業とビジネスをする上での考え方が参考になった」というコメントが多く見られた。

写真 台湾のSUの特徴や連携・協業のヒントを伝える吉村章氏(ジェトロ撮影)

台湾のSUの特徴や連携・協業のヒントを伝える吉村章氏(ジェトロ撮影)

写真 ネットワーキングが活発に行われた(ジェトロ撮影)

ネットワーキングが活発に行われた(ジェトロ撮影)

(田辺知樹)

(静岡、台湾)

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