物価上昇率が減速するも、中銀は政策金利を維持

(ケニア)

ナイロビ発

2024年04月09日

ケニア国家統計局は3月29日、2024年3月の消費者物価指数(CPI)上昇率PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は前年同月比5.7%だったと発表した。交通(9.7%)、住宅・水・電気・ガス(8.0%)、食料・飲料(5.8%)などが引き続き高い水準にあるものの、CPI上昇率は徐々に落ち着きつつある。通貨シリングも、中銀レートが3月5日の1ドル=143.83シリングから、4月4日には131.17シリングまで上昇した。

ケニア中央銀行の金融政策委員会は4月3日、政策金利を13.00%に据え置くことを決めたPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。物価上昇や為替について、これまでの利上げの効果が出てきていると手応えを示しつつも、CPI上昇率5%のターゲットまでは現行の引き締め政策を継続していくとした。

ケニアのスタンビック銀行は2024年4月4日、同年3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは49.7になったと発表した。前月から1.6ポイント悪化し、景気判断の境目となる50を再び下回った。同行は原材料など調達コストの価格上昇圧力は緩和されつつも、いまだ消費者の需要回復に至っていないことや、企業のキャッシュフロー改善につながっていないと分析している。

(佐藤丈治)

(ケニア)

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