ベルリン州政府、アジアとの連携プロジェクトをキックオフ、東京から開始

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2024年04月24日

ドイツ・ベルリン州政府が運営するアジアとベルリンの協業に向けた組織アジアベルリンは4月17日、コワーキングスペースのベータハウスで、両地域のエコシステムビルダー向けのキックオフイベント「Intelligent Transformation」を主催し、日本のベンチャーキャピタル(VC)を含む80人以上が参加した。これは、2024年11月25~29日にベルリンの赤の市庁舎で開催予定の「アジアベルリンサミット」(2023年7月6日記事参照2022年9月30日記事参照)を念頭に置いたものだ。

アジアベルリンは、同組織内のイニシアチブであるExpansion Lab外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通して、長期的な経済発展に貢献し得るネットワークの構築支援のため、日本、韓国、シンガポール、インド、インドネシアに重点を置き、在ベルリンの企業や研究機関、エコシステムビルダーを経済ミッションとして派遣する。

2024年最初の派遣先として、日本と韓国が指定されており、日本では東京都主催の持続可能な新しい価値を生み出すイベント「SusHI Tech Tokyo 2024外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の一環で5月15~16日に開催される「Global Startup Program外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に参加する。ベルリン商工会議所と在日ドイツ商工会議所は、ベルリン州と東京都の都市交流30周年を記念したカイ・ベグナー・ベルリン州首相の訪日の機を捉え、アジアベルリンサミットをPRするためネットワーキングを開催(5月7日まで申し込み可能外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)する。

4月18日のイベントにおけるパネルディスカッションでは、ベルリンと重点国のエコシステムとの協業が議論された。たとえば、経済発展が急速に進むインドでは研究開発面、インドネシアではSNSを活用したデジタルマーケティング面の最新状況が共有されたほか、韓国では政府が以前よりスタートアップ支援に注力していることなどが紹介された。

日本については、歴史的にインフラや化学といった分野で欧州企業が日本のエコシステムに影響を与えてきたこと、最近では東京発スタートアップイベントのTakeoff Tokyo外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2023年12月22日記事参照)やドイツ学術交流会(DAAD)東京事務所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのほか、ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)主導のGerman Accelerator外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますといった新しいエコシステムビルダーがベルリンと東京のオープンイノベーションに注目していること、ヘルスケアのベルリン発スタートアップが日本市場で活躍中であることなどについて意見交換が行われた。

会場ではアジアにとって、ベルリンの特徴である多様性やインクルーシブネスが魅力的で、各地とのオープンな情報共有が重要とのことで意見が一致した。ベルリン州首相府で国際関係の責任者であるライナー・ザイダー博士は、本イベント後に「アジアを目指すスタートアップにとって価値のあるキックオフになった」といのコメントを表明した。

なお、ジェトロでは「SusHI Tech Tokyo 2024」の機を捉え、ベルリン州政府了承のもと、ベルリン商工会議所との協力により、ジェトロのマッチングプラットフォームであるJ-Bridge(注1)やJapan Street(注2)を活用して、ベルリンのスタートアップと日本企業の商談会を実施する。

J-Bridge会員向け商談会の詳細は添付資料のとおり。申し込みを希望する場合は、添付資料に記載の問い合わせ先に連絡のこと。

写真 「Intelligent Transformation」の様子(アジアベルリン提供)

「Intelligent Transformation」の様子(アジアベルリン提供)

(注1)日本企業とスタートアップなどの海外企業の国際的なオープンイノベーション創出のためのビジネスプラットフォーム。

(注2)ジェトロが招待した海外バイヤー(海外に販路を持つ国内のバイヤーを含む)専用のBtoBのオンラインカタログサイト。

(小菅宏幸)

(ドイツ、日本)

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