ジェトロ、インド水産物バイヤーを三重、東京に招聘

(インド、東京、三重)

ムンバイ発

2024年04月08日

ジェトロは31216日、日本産水産品の輸出拡大を目的として、インド西部マハーラーシュトラ州ムンバイとプネから、水産品バイヤー4人を日本に招聘(しょうへい)した。4人は、水産会社の尾鷲物産(三重県尾鷲市)と水産品卸売会社ふぃっしゅいんてりあ(東京都東村山市)を訪問し、水産物の養殖場、加工場、品質検査室などの視察や商談に参加した。

写真 ブリ養殖場の見学(ジェトロ撮影)

ブリ養殖場の見学(ジェトロ撮影)

尾鷲物産では、尾鷲湾に設置されているブリの養殖場の見学や商品の試食会に参加した。ムンバイで日本食レストランの経営をしているバイヤーは「生産の過程で、商品がどのように管理されているのかを知ることができた」「きちんとした管理がされていることが分かり、安心した」といった前向きなコメントをしたほか、「インドでは魚料理を食べる文化が浸透しておらず、調理法も限られている。今回、さまざまな魚料理を食べて、すしや刺し身以外の調理法についても知ることができた」と話していた。

写真 水産品の試食会(ジェトロ撮影)

水産品の試食会(ジェトロ撮影)

ふぃっしゅいんてりあでは、輸出用の出荷直前のいけすなどを視察したほか、おいしさを保つための包装技術や、冷凍輸送での高度な衛生管理について説明を受けた。海外で入荷した時と同じ状態から解凍した刺し身を試食したバイヤーたちが新技術で包装、輸送した冷凍刺し身の鮮度の高さに驚く場面もあった。

写真 包装技術について説明を受ける(ジェトロ撮影)

包装技術について説明を受ける(ジェトロ撮影)

「農林水産物輸出入概況2023年(令和5年)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、日本からインドへの水産物の輸出実績は、2020年1億3,200万円、2021年3億3,000万円、2022年7億5,300万円、2023年14億600万円と、過去4年間に毎年ほぼ倍増している。特に2023年のインド向け輸出額は前年比約6億5,300万円増加し、金額ベースの輸出相手国・地域別順位が2022年の30位から19位まで上昇した。一方、水産物輸出額全体でインドの構成比は0.4%程度で、約14億2,000万人の人口を考えると、伸びしろは大きい。

ジェトロはこれまで、インドでの日本産水産品の販路拡大のため、インド各地で一般消費者やレストラン・ホテルなど事業者へのプロモーションを実施してきた(2024年3月28日記事参照)。特に都市部では食の多様性が高まっており、日本産水産品の消費と輸出の拡大が期待される。

(高氏朋佳、丸山春花)

(インド、東京、三重)

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