ハンガリーへの特定農産物の輸入に事前届け出義務

(ハンガリー、EU、ウクライナ)

ブダペスト発

2024年04月24日

ハンガリー政府は4月16日、新たな貿易関連措置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今後、海外からハンガリーに輸入される特定の農産物(注)について、事前届け出義務が課せられる。

詳細は、政令80/2024(IV.11)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに定められている。政府は、今回の措置はウクライナの農産物からハンガリー市場を守るために採用されたものであり、その背景には、EUが2022年にウクライナからの農産物に対して無関税・無制限輸入を認めたことで(2024年3月28日記事参照)、供給過剰による過度の価格下落圧力がかかっていることがあるとした。

同事前届け出は、国家フードチェーン安全監督局(NÉBIH)のウェブサイトに掲載されている電子書式外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを用いて、届け出対象品を販売する(またはその代理を務める輸送業者)個人、個人事業者、法人またはその他の団体によって、輸入する24時間前まで(航空便または船便による輸入の場合は6時間前まで)に提出しなければならない。また、同届け出書はハンガリー語で記入しなければならない。

同届け出書(電子書式)において報告すべき主な項目は次のとおり。

  • 届け出する個人または企業の詳細
  • 商品の詳細(数量、価格)
  • 倉庫の所在地
  • 原産国
  • 荷受人の氏名
  • 輸入予定日
  • 輸送手段の詳細

電子申請直後に届け出人のアドレス宛てに確認メール(承認書)が届く。同確認メールは、商品とともに輸送する必要がある。届け出を怠った場合、罰金(付加価値税を除く対象製品の価格の40%を上限とする)が科される。

なお、25キログラムまたは25リットル以下の個人使用のために輸入される物品、または積み替えのためにハンガリー国内で輸送される商品は届け出の対象外。

(注)届け出義務は、1年前に政府がウクライナからの輸入を禁止した農産物に適用される。対象となる農産物は、政府令の付属書およびNÉBIHのウェブサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に掲載されている。主な品目は、肉(牛、豚、羊、鶏)、卵、野菜、穀類、小麦粉、植物油、油糧種子、パン、ワイン、マスト(ワインの原料となるぶどう果汁)。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー、EU、ウクライナ)

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