英国の高級百貨店ハロッズで静岡クラウンメロンを試食販売
(英国、静岡)
ロンドン発
2024年04月30日
英国ロンドンの高級百貨店ハロッズで4月27日、静岡クラウンメロンの試食販売が実施された。ハロッズ店内での日本産果物の試食販売は初めて。4月25日から本格的に店頭販売が始まったのに合わせ、輸入を手掛けるアバンチ・アジアが果物売り場前にブースを設け、数百人の来店客にクラウンメロンを提供した。
ハロッズでは、2023年12月から日本産果物を販売(2023年12月22日記事参照)。第1弾のイチゴは現在も人気を博しており、4月に入ってから販売量が週144パックに倍増。第2弾となるクラウンメロンは1個150ポンド(約2万9,550円、1ポンド=約197円)。1月末にテスト販売した後、ブランディングについて協議を重ね、3月末にVIP顧客向けカタログ販売を中心に数日で12個が完売していた。
アバンチのゲイリー・ファン最高経営責任者(CEO)はジェトロのアレンジで3月15日に静岡県袋井市の生産現場を訪問したばかり(2024年3月28日記事参照)。4月25日からの店頭販売を前に、ハロッズの依頼で販売員に講習を行い、生産現場で撮った写真を見せながら、クラウンメロン独特の価値や歴史を教えたという。販売開始から2日半で入荷した10個が完売した。
試食販売のブースでロンドン在住の男性客に感想を尋ねたところ、「普通のメロンに比べて甘さが口の中で長続きする」と述べた。クラウンメロンの歴史について「100年前に英国から静岡に伝来し、50年前には故エリザベス女王が訪日された際に召し上がった」と説明したところ、「驚きだ」と話した。試食した後に3個注文している女性客の姿も見られた。
ファン氏は「今日の試食販売は日本産果物にとって画期的。店内が混雑する週末午後の時間帯に試食販売の機会が提供されたのは、当社に対するハロッズの信頼のあらわれだ」と述べた。クラウンメロンは年間を通じて販売され、5月以降、桃、ブドウ、サクランボ、黄色スイカも順次棚に並ぶ予定。
(林伸光)
(英国、静岡)
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