米シカゴ拠点の高級路線コンビニ・スーパーが全店閉鎖、破産法申請予定と報道

(米国)

シカゴ発

2024年04月26日

米国イリノイ州シカゴを拠点に高級路線のコンビニエンスストア・小規模スーパーマーケットを展開していたアウトフォックス・ホスピタリティは、4月23日からシカゴやテキサス州、首都ワシントン周辺などにある35店の全店を閉鎖すると発表した。報道によると、同社は連邦破産法第7条に基づく清算の申請をする予定という。

同社は2023年11月に、高級路線のコンビニであるフォックストロットと高級小規模スーパーのドムズ・キッチン&マーケット(以下、ドムズ)が合併を発表し、設立された。2024年3月に高級スーパーのホールフーズ・マーケットでエグゼクティブ・バイス・プレジデントを務めたロブ・トワイマン氏を最高経営責任者(CEO)として迎えたばかりの同社による突然の破産のニュースは、顧客だけでなくサプライヤーも驚かせたようだ。同社の破産理由は発表されていないが、近年成長していた同社では店舗の拡大や新規出店にコストがかかっており、黒字化と資金調達に苦労していたのではないか、との報道がある(「クレインズ・シカゴ・ビジネス」誌4月24日)。

同社が展開していたフォックストロットとドムズは、高価格帯の食料品、シェフによって調理された総菜、ワイン、スナック、パーソナルケア商品などを取り扱っており、日本産の商品や和食も販売していた。

突然の店舗閉鎖を受け、4月24日には、同社およびフォックストロット、ドムズが連邦および州の労働者調整・再訓練予告法(WARN法)に違反したとして、元従業員がシカゴの連邦地方裁判所に提訴した(「クレインズ・シカゴ・ビジネス」誌4月24日)。

(星野香織)

(米国)

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