半導体や二次電池など国家先端戦略産業特化団地の支援策が具体化

(韓国)

ソウル発

2024年04月03日

韓国政府は3月27日、韓悳洙(ハン・ドクス)首相主宰の「第5回国家先端戦略産業委員会」を開催し、2023年7月に指定した国家先端戦略産業特化団地(2023年7月28日記事参照)に関する総合支援策を発表した。同支援策の内容は次のとおり。

  1. 特化団地の投資インセンティブ強化:龍仁(ヨンイン)特化団地のインフラ整備に係る予備妥当性調査の免除、インフラ整備時の国費支援について支援比率・支援件数の引き上げ、投資インセンティブ制度の拡充検討など
  2. 特化団地間の連携拡大:特化団地間での半年ごとの定期的な懇談会の実施、特化団地エコシステム構築支援事業(研究開発事業)の成果の特化団地間での共有など
  3. 個別特化団地の競争力強化:龍仁の追加用水の確保支援、浦項(ポハン)の塩水処理用地下管路の設置支援、清州(チョンジュ)の送電線二重化支援など

韓首相は「米国や日本など主要国が補助金を前面に出してインフラを構築するなど戦略的支援を強化している」と述べた上、「韓国政府も国家先端戦略産業特化団地を滞りなく整備し、産業競争力を強化するために全面的に支援を続けていく」と会議を総括した。

なお、同委員会ではこのほかに、2023年5月に発表した「第1次国家先端戦略産業育成基本計画」(2023年6月2日記事参照)遂行の実行計画や、国家先端戦略産業の人材を育成する特性化大学、大学院の拡充計画(注1)、バイオ特化団地の公募状況と今度の予定(注2)なども議論した。

(注1)2023年は半導体特性化大学院3校・半導体特性化大学事業団8件を選定・支援した。2024年は特性化大学院8校(半導体3校、二次電池3校、ディスプレー1校、バイオ1校)を追加、特性化大学事業団13件(半導体10件、二次電池3件)を追加する予定。

(注2)2023年5月にバイオが国家先端戦略産業に追加されたが、同年の特化団地には指定されていなかった(2023年7月28日記事参照)。公募の結果、仁川広域市や京畿道など11件の申請があった。関係部署や専門家の評価を経て、2024年上期中に決定する予定。

(橋爪直輝)

(韓国)

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