中国共産党遼寧省委員会書記、他省に先駆けて訪日

(中国、日本)

大連発

2024年04月26日

中国共産党遼寧省委員会の郝鵬書記(兼遼寧省人大常委員会主任)をはじめとする遼寧省ミッションが4月18~20日、東京を訪問した。新型コロナウイルス感染拡大の収束後、中国の他省に先駆けて、省党委書記クラスの要人が訪日したことになる。郝書記一行は19日に東京で開催された「遼寧-日本経済貿易協力説明会」に参加した。郝書記は講演の中で「遼寧省は新材料、新エネルギー、航空設備、工業ロボットなどの分野で強靭(きょうじん)な産業基盤を具備しており、イノベーションによって新たな原動力が育成されている」と述べた。また、日本との関係について「遼寧省最大の貿易相手国・日本との経済交流を重視し、日本企業の進出を引き続きサポートしていく」と強調した。

遼寧省の2023年の域内総生産(GRP)成長率は前年比5.3%増で、10年ぶりに中国全体の成長率を0.1ポイント上った(2024年1月30日記事参照)。2024年1~3月のGRP成長率(前年同期比5.4%増)も同じく中国全体(5.3%増)を0.1ポイント上回った。一方、貿易額では、2023年(前年比3.1%減)、2024年1~3月(前年同期比4.1%減)ともにマイナスだった。

同省政府弁公庁が公布した「遼寧省の全面的な振興・新たな突破口となる三年行動期間中に対外開放レベルをさらに向上することに関する実施意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2023~2025年)では、日本、韓国などとの産業チェーンの強化や、経済関係の緊密化などを全体目標としている。今回の郝書記の訪日はこうした政策を推進するための活動の一環とみられる。

(李穎)

(中国、日本)

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