中国外交部、米国やEUの「過剰生産能力」批判に反論、公平な競争要望

(中国、米国、EU)

北京発

2024年04月25日

中国外交部は4月17日の定例記者会見で、米国やEUが指摘している中国製の電気自動車(EV)や太陽光パネルの過剰生産能力に関する質問に答え、「中国の過剰生産能力が世界市場に悪影響を及ぼすとの指摘は誤っている」と反論した。

外交部の林剣報道官は質問に対し、習近平国家主席は前日の16日に行われたドイツのオラフ・ショルツ首相との会談で「中国による電気自動車、リチウムイオンバッテリー、太陽光発電関連製品などの輸出は、グローバルな供給を豊富にし、インフレ圧力を緩和し、気候変動対策やグリーントランスフォーメーション(GX)に大きな貢献をしている」と指摘した(2024年4月18日記事参照)と回答した。

林報道官は、中国は、生産能力の問題は市場経済の原理に基づき、経済のグローバル化を背景にした国際分業と世界市場の文脈で分析されるべきと繰り返し強調してきたとした。その上で、新エネルギー産業での中国の優位性は補助金に頼ったものではなく、市場競争によるものだと指摘した。

また「過剰生産能力」を理由に貿易上の保護措置を取ることは、成長を阻害する要因となり、サプライチェーンの安定性と円滑性を損ない、世界のGXと新興産業の発展を妨げるだけだと指摘した。

さらに、中国は一貫して産業協力に開放的な姿勢を取っているとし、関係諸国が公平な競争を堅持し、中国とともに互恵・ウィンウィンを実現し、経済のグローバル化をより包摂的なものに向けて推進することを望むと表明した。

なお、李強首相は4月7日に北京市で米国のジャネット・イエレン財務長官と会談した際、中国の新エネルギー産業の発展はGXに重要な貢献をするものだと評価し、米国が中国とともに公平な競争を堅持することを望むとした(2024年4月9日記事参照)。また、王文涛商務部長は同じ7日、フランスのパリで行った在欧州の中国系EV関連企業との円卓会議で、中国のEV産業の急速な発展は市場競争によるもので、補助金に頼ったものではないとし、欧米による「過剰生産能力」との指摘は全く根拠のないものだと指摘した(2024年4月11日記事参照)。

(張敏)

(中国、米国、EU)

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