パナソニック、インドでアクセラレータープログラム立ち上げ

(インド、日本)

ベンガルール発

2024年04月11日

パナソニック・ライフソリューションズ・インド(PLSIND)は3月28日、インド南部ベンガルールで、アクセラレータープログラム「パナソニック・イグ二ション(Panasonic Ignition)」の成果発表会(デモデー)を開催した。

このプログラムは2023年10月から地場ベンチャーキャピタル100X.VCの協力を得て実施され、インドのスタートアップ企業の合計140社以上から応募があった。ファイナリストとして選出された12社は約3カ月間、メンタリングなどを受けながら、主催者が課したオフィスビル向けエネルギーマネジメントシステムに関する技術課題を検討した。デモデー当日にはファイナリスト12社がピッチを行い、クラウドベースのビル管理システムを販売するエンライト(Enlite)と、IoT(モノのインターネット)ベースのスマート空気清浄デバイスを開発するクレアコ(Clairco)の2社が最優秀賞の「イグニション賞」に、サスタラボ(Sustlabs)、ケベック・ベンチャー(Quebec Venture)、センサイアブル(Sensiable)、ブレーズ(Blaze)の4社が優秀賞の「アクセラレート賞」に選ばれた。

入賞した計6社は今後、パナソニックのCVC(くらしビジョナリーファンド)からの出資先候補となるとともに、パナソニックのインド事業部門との協業に向けた議論を開始する。パナソニックは2022年に同ファンドを立ち上げた当初は、日本や欧米を主なターゲットとして考えてきたが、巨大市場と豊富なスタートアップ企業に注目し、現在はインドも重点市場の1つと位置付けている。プログラムを担当したPLSINDのインドイノベーションセンターの葛西悠葵氏は「入賞したスタートアップ(SU)は、技術や事業の完成度が高く、今後の出資や協業に期待が持てる」と語った。

ベンガルールはインド随一のSU集積地で、アクセラレーションやインキュベーション施設、ベンチャーキャピタル(VC)はもとより、同地にR&D拠点などを設けるグローバル企業もSUとの連携を模索している。在インド日系企業では、自動車最大手マルチ・スズキはじめ、複数の企業が同様の活動を実施しており、近年、その動きが拡大、加速している。

写真 デモデーの様子(PLSIND提供)

デモデーの様子(PLSIND提供)

(夏見祐奈)

(インド、日本)

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