自由アルゼンチン再建債シリーズ3で利益・配当金の支払いも可能に

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年05月08日

アルゼンチン中央銀行は5月3日、中銀通達B12795PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公布し、自由アルゼンチン再建債(BOPREAL)シリーズ3の7回目の入札を5月8日と9日に行うとした。今回の入札から、2023年12月12日以前に輸入通関された財、提供されたサービスに係る滞留債務だけでなく、滞留している利益や配当金もBOPREALの対象となった。

入札公示に先立つ4月30日に公布された中銀通達A7999PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)により、非居住者株主への利益や配当金の支払いを保留している国内企業や、2019年9月1日以降にアルゼンチン国内の口座に現地通貨ペソで受け取ったが、資本取引規制により国外送金できていない利益、配当金を抱える非居住者も、BOPREALを購入できるようになった。後者については、受け取ったペソを最新の消費者物価指数(CPI)上昇率で調整した金額が購入金額の上限となる。

また、5月6日に公布された政令385/2024号は、利益、配当金の送金を目的にBOPREALを購入する場合に、パイス税17.5%を課税することを定めた。

BOPREALシリーズ3は、シリーズ1、シリーズ2に比べて入札が長期化している(2024年4月23日記事参照)。4月25日と26日に実施された6回目の入札までに11億9,700万ドル分が落札されたが、発行額30億ドルの半分にも満たない(添付資料表参照)。

アルゼンチン輸入業者会議所(CIRA)は「これまでの入札の参加者は少なかったが、今回は滞留する利益、配当金を抱える事業者も入札に参加できるため、参加者が増える可能性がある」としている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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