乗用車の買い替え促進策を発表、最大1万元の補助金を支給

(中国)

北京発

2024年05月02日

中国の商務部、財政部など7部門は4月26日、「自動車買い替え補助金実施細則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公表した。本細則は4月12日に発表された「消費財の買い替えを推進するための行動プラン」(2024年4月18日記事参照)で示された自動車の買い替え促進策を具体化したもの。本細則の印刷配布日から2024年12月31日までに条件を満たす自動車の買い替えを行った消費者(注1)は、最高1万元(約21万円、1元=約21円)の補助金を受給することができる。なお、同補助金の財源は、中央政府と地方政府が地域ごとに定められた比率(注2)で負担するとしている。

同補助金の支給対象や申請方法は次のとおり。

(1)補助対象・申請基準

本細則の印刷配布日から2024年12月31日までの期間内に、自動車排ガス基準「国3」以下の燃料式乗用車(注3)または2018年4月30日以前に登録された新エネルギー乗用車を廃棄し、かつ工業情報化部が発表している「車両取得税を減免する新エネルギー車車種リスト」(注4)に記載されている新エネルギー乗用車、または排気量2.0リットル以下の燃料式乗用車を新たに購入する場合には、同補助金の支給対象となる。そのうち、上記2種類のいずれかの旧車を廃棄して新エネルギー乗用車を購入する場合には1万元が、「国3」以下の燃料式乗用車を廃棄して排気量2.0リットル以下の燃料式乗用車を購入する場合には7,000元が補助される(添付資料表参照)。

(2)申請方法

補助対象となる個人は、全国自動車流通情報管理システムまたはWeChatのミニプログラム「自動車買い替え」上で、個人情報や車両情報(注5)などを入力して申請を行う。申請期限は2025年1月11日午前0時までとなっている。

買い替え対象となる乗用車は約1,400万台との推測も

招銀国際証券によると、本細則の買い替え対象となる乗用車は約1,400万台あると推測されている。また、同証券は、新エネルギー車の価格競争が激化する中、本細則による需要刺激効果を見積もるのは難しいとしつつ、過去に車両取得税の減税政策を行った際の経験を踏まえると、今回は政策発表の1カ月後に短期的な需要のピークを迎えると予測している。

(注1)今回の措置は個人の消費者が対象で、企業や団体の使用する車は対象外となっている。

(注2)地域ごとの負担割合は、東部地域が中央政府5割に対して地方政府5割、中部地域が中央政府6割に対して地方政府4割、西部地域が中央政府7割に対して地方政府3割などとなっている。

(注3)本細則でいう乗用車とは、公安交通管理部門に登記された小型および超小型乗用車を指す。自動車排ガス基準「国3」以下の乗用車とは、2011年6月30日以前に登記されたガソリン乗用車、2013年6月30日以前に登記されたディーゼル乗用車およびその他の燃料式乗用車を指す。燃料式乗用車とは、ガソリン車のほか、ディーゼルオイル、混合オイル、天然ガス、液化石油ガス、メタノール、エタノール、水素、バイオ燃料などを燃料とする乗用車を指す。

(注4)直近では2024年4月15日付で第4版リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが発表されている(2024年4月30日時点)。

(注5)車両情報とは、廃棄車両の車両識別番号、「廃棄車両リサイクル証明」および「自動車抹消証明」の原本またはスキャン、新車の車両識別番号、「自動車販売統一発票」および「自動車登記証書」の原本またはスキャンなど。これらの証明書類は2024年12月31日までに発行・取得が必要となる。

(亀山達也)

(中国)

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