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株式会社福田佐吉商店

ジェトロの支援がなければ遥かに遠い道のりでした。これからは台湾市場での存在感を高めることが目標です

日本の地域の商品を海外に紹介し、販路開拓をミッションに掲げた輸出卸売業をスタート。台湾パートナーを発掘し協業しながら台湾での市場拡大を目指す

熊本県熊本市ウェブサイト

展開国・地域：: 2018年台湾
事業内容：: 食品・リキュールなどの酒類・スキンケア商品の輸出販売／輸出に伴うサポートと販路開拓や現地でのブランド育成

代表取締役福田和歌子氏

にぎわう街と人だかりその勢いに可能性を感じて

熊本県産の手作り石けんや高知県産の柚と岡山県産ハッカを使ったリキュール「ゆずミント」が人気

2017年を迎える年末年始を上海で過ごしたことが人生の転機でした。地元・熊本で中小企業診断士として企業と契約していたのですが、上海の街で人の多さや経済の盛り上がりを感じ「上海・香港・台湾とビジネスがしたい」と起業を決めました。新年を迎えた後、日本に戻ってからすぐに日本の食品を輸出する会社の設立に向けて動き始め、当時契約していた会社の社長の紹介でジェトロ熊本の所長にお会いしたことがきっかけで海外進出の目標がぐっと近くなりました。そのご縁のお陰で、香港で開催された「FoodExpo」に参加しました。4日間で49万人も訪れるビッグイベントを体験できたのは貴重な経験でした。ただ、イベント中は話が盛り上がるのですが、その後ビジネスとして成立させるのが難しかったです。そこで、今度はジェトロの専門家と一緒に香港を訪れました。訪問先で出会ったバイヤーの反応から、「地域のものを集めて輸出する業態にはニーズがある」と直感し、本格的な輸出専門の地域商社へと方向転換を図ったのです。

運命を分けるのは現地パートナーとの出会い

輸出に関して全く未経験の私がわずか2年でここまで事業を展開できたのは、現地でのパートナー企業と出会えたお陰です。きっかけは、ジェトロ協賛・熊本県工業連合会主催のイベントで台湾の半導体メーカーの経営者をご紹介いただいたことです。詳しく話を伺ってみると新しく食品事業を立ち上げたばかりとのことでした。まさに運命的な出会いだと感じました。しかし、その一方でハードルとなっていたのが、台湾現地の規制、栄養表示などの条件をクリアできる商材が予想以上に少なかったことです。台湾に輸出できる商材を見つけるために、ありとあらゆる食品の展示会に足を運び、知人の紹介や店頭で見た商品のメーカーに問い合わせをしたりして商材を探しました。その中で、即戦力として役立ったのは、ジェトロの取引先候補支援サービス(TTPP)です。このサイトに登録してある企業は、輸出意欲があり、準備もできていることが多く、実際にいくつかの商品を台湾に輸出することができました。また、台湾では日本酒やリキュールが大変人気ですので、特定の商材を指定しての購入希望登録もしています。

台北にある日本食品アンテナショップの様子

熊本でメーカー訪問した台湾パートナー企業の経営者たち

台湾での次なるステージへの挑戦

弊社が扱うのは地域の商品です。台湾では日本製といえばブランド力がありますが、聞いたことのない地方のメーカーの商品が台湾市場ですぐに売れるわけではありません。これからすべきことは、輸出したら後は台湾パートナーに任せるのではなく、日本からのサポートで台湾パートナーの販路拡大を支援することです。2018年にはパートナー企業が台北でアンテナショップをオープンし、弊社が輸出した商品が店頭に並んでいます。これからの目標は今のパートナー企業とともに成長し、台湾での存在感を高めることです。そして、次のステップとして他の地域にもチャレンジしたいと思っています。

専門家からのポイント

福田佐吉商店は、地域メーカーでは対応困難な海外市場開拓、輸出業務を担い、地域色豊かな食品・スキンケア製品・リキュール類輸出を扱うスタートアップ商社です。地元九州地域産製品を皮切りに、ジェトロが提供するTTPP関連情報を活用して、全国で商品の発掘を進めています。台湾へは、社長自身のコネクションで、地元大手企業傘下の同じくスタートアップ輸入卸売会社と協業し、小売りを兼ねた新しいマーケッティング手法で販売拡大を進めています。今後は、ジェトロの取引候補企業紹介支援を利用して、香港市場への販路拡大を進められます。