株式会社キャスト

当社は薄肉の船舶用マニホールドや鋳造品の輸出を目指し、ドイツの展示会に出展しました。2019 年度にはハンズオン支援の採択を受け、翌年にドイツへの初出張を果たしました。しかし、新型コロナウイルスの影響で交渉が難航。その中で、自社開発したフォークリフトアタッチメント「パワーブレード」の販売が注目され、アジアの産業廃棄物分野に新たな市場の可能性を見出しました。確実な成約に結び付けるため一歩先を見据えた取り組みをすべく専門家の支援を受け、ロードマップの作成や輸出事業計画の策定を通じて、成長性や採算性を客観的に評価することができました。今後はこの経験を活かし、海外市場でのさらなる展開を目指します。

ジェトロ仙台事務所のEPA アドバイザーとオンライン面談を実施。タイ向け輸出に関するEPA の利用方法やメリットについて詳しく解説を受けました。一方、これまで輸出経験がなかった当社は、ジェトロ福島事務所の貿易実務講座を受講し、貿易の基本から学びました。コンソーシアム専門家の指導のもと、代理店契約や基本売買契約の内容、税金の取り扱い、梱包や輸送業者の選定など、輸出に関する細かな点を学びました。特に、展示会でのバイヤーとの交渉や企業訪問時のアシストは、商談を円滑に進めるための大きなサポートとなりました。これらの経験を通じて、海外展開の際の正確な知識と実践的なサポートの重要性を実感しました。

当社の製品の大きな強みは鋳物の強度と耐久性です。特に使い方が荒い環境でもその性能を発揮することが、板金製の類似品との差別化ポイントとなっています。本製品は、実際に見て使っていただくことで実感いただけるため、展示会などで認知度を高め、中期的な拡販を狙っていきたいです。中小企業であっても、独自性のある製品を持っていれば海外展開のチャンスは十分にあります。鋳造業界は現在、EV 化や事業承継等の課題に直面していますが、海外市場への進出を果敢に進めることで、新しいビジネスの可能性が広がります。これから海外展開を目指すなら、積極的に国内外の展示会に参加し、新しい出会いとチャンスをつかむことをおすすめします。