株式会社つかもと

当社は、創業87 年の歴史を持つ甘納豆製造の老舗企業で、主にOEM 生産を手掛け、国内売上が中心です。伝統製法と地元茨城県特産の素材を活用した商品開発により、数々の賞を受賞しています。しかし、国内人口の減少が進む中で将来の売上減少が懸念され、5〜6 年前からジェトロや地元の支援機関の勧めを受け、海外展開を模索し始めました。コロナ禍前には現地企業との製品開発案件が進んでいましたが、計画が突如破談になるという経験もしました。現在は若年層にアプローチしていますが、通訳も甘納豆を知らない場合に「甘納豆とは」を伝えることから難しさも感じています。引き続き専門家の支援を得てマーケティング等に取り組む予定です。

ベトナム市場へ進出した際、最初は自社で全て対応していました。しかし、当社のような中小企業としては、輸出の方法や販売先の探し方が分からず困難を感じていました。そのような中、専門家からマーケット等の情報や販売先の紹介を受け、大変助けられました。日本語表示のパッケージがベトナムでの日本製の認知になり、安心・安全のイメージを醸成する上で重要であるとの助言もありました。また製品開発においても、現地の嗜好に合わせ甘みを変える、消費期限を伸ばす等、ベトナム特有のニーズに合わせた調整が必要であることを認識しました。専門家は甘納豆の専門ではありませんが、このような第三者的な目線での助言が大変有意義でした。

当社の甘納豆はベトナム市場で特有の固さが評価されており、また製造工程を変えるなど現地の味覚や文化に合わせたカスタマイズを実施しています。また将来的な成功を見据え、東南アジア圏での「甘納豆」の認知向上と輸出売上の拡大を目指しています。社内では、自分たちの商品が世界に売られていることを意識付け、スタッフのモチベーションの向上にも寄与しています。海外展開を目指すなら、輸出のハードルを恐れず、積極的に一歩を踏み出すことが大切です。現地での迅速な判断が求められることもあり、決裁権を持つ人が直接営業活動を行うことが重要。また、展開国を愛し、理解することでビジネスを円滑に進めることができるでしょう。