株式会社有田屋

海外市場での成功は、適切な支援と商品価格・プレゼンの最適化にあり

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展開国・地域:
フランス、イタリア、ドイツ、フィリピン、シンガポール、マレーシア
事業内容:
天然醸造醤油

代表取締役 湯浅 康毅 氏

天然醸造醤油、ミラノでの成功後、コロナの逆境をフランスでのチャンスに

2016年、シンガポールの寿司店経営者からの指名を受け、当社の天然醸造醤油の輸出を開始しました。その後、2018年のジェトロ群馬事務所の開所を機に、日本産食品の海外ニーズと国内トレンドを学び、輸出事業の検討を本格化させました。しかし、2020年以降のコロナウィルスの影響は大きく、海外展開の計画が大幅に遅れました。特に、ミラノの取引先が事業内容を変更し、計画が頓挫。そこで、ジェトロの迅速な対応でオンライン商談に切り替え、新たな取引先としてフランスでの展開が可能となりました。外国語や法令のハードルは支援を受けて乗り越えられましたが、環境変化への柔軟な対応が成功の鍵となりました。

天然醸造法と石蔵仕込みという独自の製法で作る醤油

2019年からハンズオン支援を受け、海外展開の指導をいただいています。具体的には、専門家による2020年のミラノ視察や2022年のSIAL Paris ジャパンパビリオンへの同行、現地ジェトロ事務所からの市場調査情報提供などが挙げられます。海外展開時に非常に助かったのは価格設定のアドバイスでした。従来の方法では統一した価格提示は困難。そこで、商品の特徴や他社との差別化、実際の使用しているシェフからの意見を強調するプレゼンテーションに切り替え、良い結果を得ることができました。これらの経験を通じて、海外展開には地道な取り組みと適切なサポートが不可欠であることを実感しています。

ゆっくり、じっくり、手塩にかけて作っていく

天然醸造法の強みと190周年の歴史で海外評価、成功の鍵は独自性と継続

当社の製品が評価されている点は、本物であること、そして他社との違いは、ユニークな歴史や製法、人、哲学などが背景にあることです。特に、天然醸造法と石蔵仕込みという独自の製法を強調して訴求してきました。2022年に創業190周年を迎え、SDGsを含む新しいコンセプト「あんなかテロワール」を実践しています。これにより、売上や粗利率の向上、新市場の開拓、国内需要の活性化、そしてグローバル化を実現しています。これから海外展開を目指すなら、自社の独自性をしっかりと把握し、競合他社の動向を理解することが大事です。継続的な取り組みと、ビジネスの縁を大切にする姿勢が、海外展開の成功へと導きます。

現地での商談の様子

専門家からのポイント

昔ながらの石蔵仕込みの製法でこだわりの天然醸造醤油を製造している醤油蔵。価格重視の日本国内市場とは異なり、品質重視の欧州市場にチャレンジ。同社のこだわりを効果的にアピールするために、プレゼン資料をブラシュアップした他、商品だけを売り込むのではなく、商品作りにおける会社の想いなどもアピールすることで、海外バイヤーには同社商品のファンになっていただけて、取引が始まりました。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 新輸出大国コンソーシアム
    日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

株式会社有田屋

群馬県安中市
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代表取締役:湯浅 康毅
設立年:1832年
従業員:8名
事業内容:天然醸造醤油

2023年12月

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