株式会社河島建具

海外展開にジェトロを活用。貴重な人材が躍進を後押し

富山県砺波市 ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

展開国・地域:
米国、中国
事業内容:
木製建具の製造、取付、組子建具、組子細工製品、美術工芸建具

取締役専務 河島 亜紀 氏、国際事業部 藤井 楓子 氏

海外展開、課題多数もジェトロの支援活用で前進

当社は4 年前に国際事業部を設立。富山県総合デザインセンターに拠点を構え、組子の出張体験を通じて海外の方々との交流を深めてきました。外国人材の採用は未経験で、ビザの切り替えなどの手続きにはジェトロの支援を仰ぎました。一方で、海外展開には決済の難しさやプレッシャーを感じる部分もありました。これに対し、前金や銀行決済などの対策を講じ、ハンズオン支援で学んだ知識を活用。損益分岐点や契約、マーケティング、クレーム対応など、短期間で学んだことが海外取引の大きな助けとなっています。さらに、新潟大学教育基盤機構国際センターでの講演や組子細工体験を通じて、私たちの伝統文化の魅力を世界に広める活動も行っています。

展示会「NY NOW」の会場エントランス

2020 年度には、外国人材活躍支援パッケージを利用し、高度外国人材を迎え入れました。彼女の参画により、米国市場向けのデザイン改革が行われ、特にクリスマスオーナメントが好評を博しました。専門家に支援頂き2021年8月に出展した「 NYNOW」で、オーナメントの成約を獲得。受注までをひととおり経験し課題の明確化ができたことは、貴重な財産となりました。また、人材育成塾も活用し、英語資料の作り方、英語プレゼンや商談のノウハウを社員に習得してもらいました。ジェトロから学んだ国際商談のスキルが、新たな展開の基盤を築いています。中国市場においても、伝統的な組子細工の魅力が認められ、新たな取引の道が開かれました。

展示会「NY NOW」のブースのようす

伝統技術の魅力と手仕事の感動を世界へ

組子細工は、釘を使わず木を組む日本伝統木工技術であり、飛鳥時代から受け継がれ、その精妙さが海外で高く評価されています。ただ、このニュアンスを伝えるには、言葉だけでなく製品を作る職人の深い理解が必要です。そのため、海外を知り、英語に堪能な人材が職人として働くことが、この伝統技術の魅力を的確に伝える鍵となります。今後の海外展開に向け、ショールームの建設を進め外国人に直接体験してもらうことで、日本の伝統をより深く理解してもらいたいと考えています。これから海外展開を目指すなら、ぜひ一度、国境を越えた挑戦を経験していただきたいと思います。

国内外での教育・普及活動にも力を入れ、組子細工の技術と文化の継承に寄与している

専門家からのポイント

同社の場合は、一人目の海外担当者となる高度外国人材のフル活用が鍵でした。ウェブサイトやチラシ等のマーケティングツールの企画制作、そしてNYNOW 出展で受注から納品までの業務を回す事でひととおりのプロセスを整備。中国事業展開を通じて契約書も締結と、文字通り国際事業のプロセスまで整備いただきました。二人目の海外担当者には、損益分岐点や商流を含めたビジネスの基本から習得いただきました。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 新輸出大国コンソーシアム
    日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

株式会社河島建具

富山県砺波市
https://kawashima-tategu.com/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表取締役社長:代表取締役社長 河島 隆志
設立年:1933年
従業員:10名
事業内容:木製建具の製造、取付、組子建具、組子細工製品、美術工芸建具

2023年12月

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