合同会社あとあとの

作り手との信頼関係を築く中で、オリジナル商品の制作協力の依頼が増え、国内だけでなく海外展開の構想も生まれました。鳥取県の鍛造の包丁を制作する職人との縁で、ジェトロ鳥取事務所の元所長の紹介を受け、輸出の道を歩み始めました。日本文化に興味を持つ国や地域の中小店舗へのアプローチを進め、ジェトロや鳥取県、とっとり国際ビジネスセンターの支援を受けています。しかし、バイヤーとの英語のコミュニケーションや実務面での課題もありました。それらの問題は、ハンズオンの支援や専門家との連携で解決してきました。リピート注文の少なさも課題として感じていますが、新商品の提案や関係性維持のための工夫を進めています。

コロナ禍での海外渡航制限や対面商談の困難さを背景に、オンライン商談が新たな主流となりました。この変化に対応するため、専門家のフィードバックを取り入れながら、自社ウェブサイトを強化。プレゼン資料や商品紹介動画など、オンライン商談の際に効果的にPR するための工夫を行いました。輸出に関する書類作成や入金の手続きなど、実務面でも専門家の指導を受け、輸出業務をスムーズに進めています。米国店舗における展示販売会の開催に関する交渉にあたっては、メールだけで相手側に伝えきれない部分はオンラインミーティングを活用して補完。SNS やオンラインツールの活用は、今後のビジネス展開において欠かせない要素となっています。

私たちの鍛造包丁は海外で高い評価を受けており、リピート注文も少しずつ増えています。2024 年1 月には米国・サンフランシスコの販売協力店舗で展示会を開催予定です。今後も他国で同様の展示会を定期的に行い、新商品やオリジナル商品の顧客を増やしたいと考えています。海外展開で得られた最大のメリットは、作り手が自らの商品が海外で評価されることに喜びを感じている点です。私たちの目標は、作り手、当社、そしてバイヤーが良好なビジネスパートナーとして、さらなる良品を生み出していくことです。これから海外展開を考えるなら、自社のこだわりや方針を守りつつ、適切なパートナーを選ぶことが重要だと思います。