株式会社たなべたたらの里

当社はたたら製鉄を復活させ、国内での販売を開始しましたが、製品の希少性やたたら製鉄の歴史を伝えるのに課題を感じていました。そこで、海外市場がこの価値を受け入れやすいのではないかと考え、ハンズオン支援に申し込みました。海外展開に当たっては販売戦略の策定で苦労しましたが、専門家のアドバイスを踏まえ、商材や地域を絞りすぎることなく広く捉えたことで、自社製品の価値を理解してくれるバイヤーとのつながりを築くことができました。今後の展望としては、海外進出の成功をもとに、大きなマーケットが期待できる刃物を中心に展開していく方針です。そして、これまでの経験やノウハウを社内で共有し、さらなる販路拡大を目指します。

中小企業海外展開現地支援プラットフォームの商談支援サービスを活用し、10 社のバイヤーと商談を実施した結果、「玉鋼」という素材を活用した当社製品の価値を理解してくれる2 社との成約を実現しました。しかし、当初はマーケット調査やターゲット国の選定などの初期課題に直面。そこで専門家からアドバイスをいただき、国内外の市場の違いや輸出の流通コストなどの基礎知識から習得しました。自社の担当者が海外事業専従ではなかったため、専門家の中立的な視点や柔軟な対応は非常に助けとなりました。また、これまではオンラインによる支援面談が主でしたが、2023 年9 月には専門家に米国出張へ同行いただき、多くの商談を支援いただきました。

大きなマーケットでは、他にはない特色が強く求められるもの。私たちの製品「玉鋼」の背後にある歴史やストーリーを伝えることの重要性を感じました。実際、海外では視覚的な訴求が非常に効果的で、写真や実物を見せるだけで強い印象を与えることができました。海外展開を進める中で、社内の人材の成長も目覚ましいものがありました。国外での取引の緊張感の中で、社員たちは基礎から高度なスキルまでを磨き上げ、会社全体の雰囲気や機運も向上しました。私たちも初めはノウハウが少ない状態からスタートしましたが、迷ったらまずは何事にも挑戦してみることをおすすめします。挑戦の中での気づきや学びは計り知れません。