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有限会社mother tool

4人の想いを海外へ。オリジナリティ溢れるモビールを世界に届ける。

2006年創業、世界でも稀有なモビールの組み立てを手がけるメーカー。mother toolのモビールは、金属、木、樹脂などさまざまな材料のパーツを絶妙なバランスでつなげることにより、わずかな風で優雅な動きが生まれ、上質で洗練された空間を作り出す。巧みなデザインと素材の豊富さ、繊細な組み立て技術を武器に、独自性のある商品を生み出し続ける。国内外の様々なバイヤーから声がかかり、海外でも多数の国で取り扱われているほか、New York近代美術館のMoMA2021春夏コレクションにも選出されるなど高い評価を得ている。

栃木県足利市ウェブサイト

展開国・地域：: 米国、英国、韓国、香港、オーストラリア、台湾、シンガポール、オーストリア、スイス、スウェーデン
取扱製品：: モビール

代表取締役中村実穂氏・室橋俊也氏

町工場の組み立てノウハウをモビールへ、そして世界へ

「モビール」はニッチな製品であり、国内の市場規模も限定的であることから、ブランドを立ち上げた当初から海外への展開を意識していました。もともと家業の町工場では、パチンコ部品のユニットなどを組み立てていました。しかし、パチンコ製品は頻繁にモデルチェンジが行われる業界で、商品のライフサイクルが非常に早く、一生懸命作った機械は数年で廃棄されてしまう。そこでより長く愛される製品を作りたいとの想いから、mother toolを創業しました。創業当初は様々な素材加工メーカーを一軒一軒訪ね、木とアルミのパーツを組み合わせた雑貨などを製造していたところ、学生時代の恩師であるデザイナーから「モビールをつくってみない？」と提案いただいたことが、モビールブランド立ち上げの道のりを歩むきっかけになりました。実は、モビール製作には工業製品の製造で経験してきた工程分析や治具の製作などが凝縮されていて、そのノウハウを活かすことができると確信していました。世界的にも数が少ないモビールブランドのメーカーとして世界に挑戦すべく、2019年から4年連続でジェトロのTAKUMI NEXTのプロジェクトに参加しています。

2つのプレートが交差し、風を受け回転するモビール「Perfect Instance」

メンタリングでの学び・繋がりを新たな商機に

TAKUMI NEXTに参加することで複数のバイヤーとのお取引が生まれただけでなく、様々な出会いがありました。メンターや他の参加企業との対話を通して、疑問・課題の解決を行う場であるメンタリングは、特に貴重な交流の場であると感じています。例えばオンラインで開催されたメンタリングにて、繋がりが生まれた富山県の桐箱メーカー「美術木箱うらた」さんとは、現在一部の商品のパーツ製造をお願いする関係となり、共に海外展開を目指す仲間として日々邁進しています。
またメンターから海外市場のトレンドなど、自ら収集しにくい情報を得ることができる点も魅力の一つです。メンターから直接紹介いただいたアメリカの卸販売プラットフォーム「BRANDBOOM」には、ラインシートの作成ツールや受注管理機能が備わっており、自社でも試しに導入してみたところ、海外バイヤーから「取引が簡素化され助かった」などと高く評価頂くことができました。引き続き新たな情報を吸収し、活かしていきたいと考えています。

2つの同型の立方体からなる「duo」。わずかな振動や風を受け、ゆったりと優雅な動きをみせる。

一歩ずつ丁寧に、モビールの美しさを紡ぐ

「モビール」という製品柄、商品の見せ方には強くこだわっています。モビールは見る角度や置き場所、明るさによって大きく印象が変わります。海外バイヤーとのコミュニケーションはオンラインが基本となるので、スケール感が伝わりやすく綺麗に映るよう、事前の商品写真の撮り方には気を付けています。また商談の際には、それぞれの商品が最も美しく見える置き場所をバイヤーにアドバイスし、海外の消費者にも説明していただけるようにお伝えしています。
今後は自社のモビールが持つ世界観をより「広く」伝えていくため、ニューヨーク・パリ・シドニーなど世界の主要都市に取扱店舗を持つことが目標の1つです。いいお店に取り扱ってもらえると、そのお店のサイトで商品を見かけた方から直接買い付けの連絡が入ることもあります。また、今後は海外展示会への出展にも挑戦してみたいと考えています。4人という少人数で1つ1つ手作りをしている為、着実に一歩ずつとはなりますが、引き続き世界を舞台に新たなチャレンジを続けていきたいです。