協業・連携事例三井金属鉱業株式会社

インドIITデリー校とのグリーン水素製造分野での共同研究で、水素関連設備の社会実装を加速

所在地
東京都
事業内容
機能材料・電子材料の製造・販売、非鉄金属製錬、資源開発、貴金属リサイクル、素材関連事業、自動車部品の製造・販売 等
協業・連携の形態
技術提携(共同開発)、イノベーション拠点設立
協業・連携の分野
水素、再生可能エネルギー

MoU締結式でプレゼンする三井金属鉱業 技術グループ
プロジェクトマネージャーの佐藤純氏

インド工科大学(IIT)デリー校内のリサーチ&イノベーションパークにて、同社インド法人である三井金属コンポーネンツインディア(MKCI)の研究開発センターを開設。日本からの研究員とIITデリーの研究員が協力して水電解装置の開発を行う。

水を分解して水素を製造する設備に用いる電極は、電解スタックに組み込まれる電解セルに高価な貴金属を使用する必要があることが課題であるが、本共同研究により水電解装置の価格を下げ、実用化のハードルを下げる狙い。

IITデリー校はこれまで培った電気化学分野における技術的知見と研究員の提供を、三井金属はこれまで培ってきた省貴金属触媒技術等のマテリアルの知見を活かし、双方の強みを生かした新規材料開発を合同で行います。併せて、三井金属は開発資金・場所を提供した上で研究員をMKCI Delhi開発センターに派遣し、共同開発を進めます。

IITデリー校で行われたMoU締結式

IITデリー校で行われたMoU締結式

有力研究者との強力なパートナーシップが決め手

インドの高い再生可能エネルギーの競争力、世界が注目する低炭素水素製造に関するポテンシャル、水素に対する政策的インセンティブに加え、共同研究開発のカウンターパートの知見を積極的に活用したかった。

IITの研究開発センターを国際的なマーケティング拠点に

現状の技術の課題抽出・改良に5年間取り組み、世界最高水準の電解効率、コスト、耐久性を備える電極触媒材料の開発を目指し、インド国内での実証試験を進めビジネスに結び付ける。新しい素材に関する研究開発にとどまらず、研究成果のインド社会への実装に向けた調査機能も持たせたい。更に、インドが水素生産・消費地として有望な欧州・中東と近いことを活かし、IIT内の研究開発センターをインド国内だけでなく国際的なマーケティング拠点としても活用していきたい。

連携した海外企業

企業名
インド工科大学(IIT)デリー校外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
所在国
ニューデリー(インド)
事業内容
国立大学・研究機関

協業に至るまでの経緯/イノベーション拠点設立に至るまでの経緯

日付 主な出来事など ジェトロの支援等
2021年9月 共同研究相手となるインドの大学の研究室・教授についてリサーチを開始。社内での予算化、プロジェクトに向けた調整・合意形成。
2022年4月 ジェトロと面談。その後、共同研究相手候補へのアプローチを開始。
2022年8月 教授との初回オンライン面談を実施。 教授へのコンタクト、三井金属鉱業との面談設定(J-Bridgeミートアップサービス)
2022年9月 現地法人と共にIITデリー校を現地訪問、設備などを視察。教授と対面で面談し、共同研究開発を提案、今後の進め方について協議。 ジェトロ・ニューデリー事務所が訪問同行
2023年2月 共同研究に関する法務・特許等に関する事項について、ジェトロに問い合わせ。 法務・特許まわりについてジェトロより回答(J-Bridgeスポット・アドバイザリーサービス)
2023年12月 IITデリー校にてラボ開設・共同研究に関するMoUを締結。

2024年3月

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