宇治の露製茶株式会社

「バイヤーの声を大切に。」新たな声を探しに販路開拓に再挑戦!

40年以上前から茶葉の輸出に取り組んでおり、現在では世界50カ国・地域へ輸出している。 販路が拡大するにつれ既存の各販売先様からのご要望も増え、新規販売先の開拓や、海外バイヤーの声を聞くような時間が取れない中、ジェトロ事業を効率的に活用することで新たな輸出先の発掘や既存輸出先への追加成約に成功。

京都府木津川市 ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

展開国・地域:
全世界
取扱製品:
茶葉、ティーバッグ商品等

主力輸出商品のティーバッグ商品

バイヤーの声に学び、商品を海外向けに改良

宇治の露製茶株式会社は、創業230年の歴史と伝統を伝える京都の老舗・福寿園のグループ会社です。多様化する流通に対応するため、1980年に設立されました。福寿園グループでは1990年に研究開発センターを設立、2008年には製造工場において国際規格ISO22000の認証を取得するなど、技術に裏打ちされた高品質な茶葉を製造・流通する体制を整備してきました。
当社は設立当初から輸出に積極的に取り組んでおり、現在では世界50以上の国と地域に茶葉を輸出するに至りました。海外の消費者に向けた小売り用の製品の提供を得意とすることから、お客様の声を大切に、ニーズに合わせた商品を開発し提案してきました。海外の量販店では棚のメンテナンスが十分にされていない所も多い為、茶葉商品の外装に自立するスタンドパックを導入し、棚に立てて陳列できるように改良し、加えて賞味期限も2年と長い製品も開発しました。
このように改良された商品は好評を博しており、安定的な輸出に繋がっております。

スタンドパックを採用した茶葉商品

増大した輸出先の対応で手一杯になりつつも、新たなバイヤーとの出会いを求めて再挑戦

これまで好調な輸出を行えていたものの、日本茶が世界的に人気になったことにより、お茶の輸出に取り組む企業が増えてきました。弊社の主要な輸出先国・地域でも、日本企業同士の競争が激化しています。これまでのシェアを維持するためにも、更なる商品開発と販路開拓を行うことが必要ですが、既に世界50カ国・地域への輸出を行っていたことで、多くの商社様や物流事業者様から営業に付帯する様々なご要望も増えてきたことから、海外の新規営業に時間やコストを割けなくなり、海外バイヤーの声を直接聞く機会も減ってしまいました。
そんな中で、ジェトロが海外の食品見本市の募集や、国内での商談会を行っていることを知りました。「商社マッチング事業」や「食品輸出商談会」、「日本産食品サンプルショールーム」等、海外へ渡航しなくても、国内で商談を行える事業に参加した他、海外見本市についてもドイツで開催される「ANUGA」のジャパンパビリオンに出展を行いました。いずれも自社独自で行う場合に比べ、時間的にも金銭的にも効率的に挑戦することができました。
これらのジェトロ事業では海外のバイヤーの声を直接聞ける点も大きなメリットでした。最新の現地の動向や消費者のニーズを知ることにより、既存の取引先バイヤーに対して新たな商品を提案するヒントが得られるほか、上述のスタンドパックのような新商品の改良・開発にも活かしていきたいと考えています。

Japan Streetで効率的に輸出先の多角化に成功

その後、コロナ禍をきっかけにジェトロがオンラインで提供している商談事業にも参加するようになりました。なかでも2021年より参加しているジェトロの「Japan Street」では、これまでフランス、フィリピン、マレーシア等の食品輸入卸から弊社商品に対して商談の依頼が届き、フィリピンは輸出に至りました。採用頂いた商品は主に欧州向けの展開を想定した商品であった為に、 思わぬ需要があることを認識しました。
自社の営業リソースが限られている中で、Japan Streetは一度商品を登録すれば、あとは待っているだけで、様々な地域・業種のバイヤーから引き合いを得ることができ、商品登録から商談まで全てオンラインで完結するため非常に省力で行える点が魅力的です。
また最近では「ジェトロ食品輸出商談会 at アグリフード/シーフードショー」や「サンプルショールーム事業」等、別の商談事業にも参加をしましたが、この際にJapan Streetに登録していた商品のデータをそのまま事業の参加にも活用できた点も効率的でした。
今後もジェトロの様々な展示会・商談会や、Japan Streetのようなオンラインの事業も活用しながら、輸出先の多角化の他、既存の輸出先へ新提案を行い、輸出先・輸出量の拡大を図りたいと考えています。

ジェトロ担当者からの一言コメント

既に世界50か国・地域に輸出をされている中でも新たな販路開拓に挑戦し続け、バイヤーとの対話を通して現地のトレンドやニーズを学び、また新たな商品開発や提案に活かすという、大変な努力を継続されていることが印象的でした。同社の40年超の歴史の中で、緑茶のトレンドの変化や競合の状況、自社のリソースの配分等、目まぐるしく変わる状況に対応しながらも、その時々に有効なジェトロのツールを効果的に活用いただけています。
ジェトロのJapan Street事業を始めとするオンライン完結型の事業は、手軽なので輸出に初めて取り組む企業にも好評の事業ではありますが、同社のような輸出に慣れた方にとっても、新たな販路開拓ツールとしてご活用いただけているのは、理想的な活用事例だと感じています。

宇治の露製茶株式会社

京都府木津川市
https://www.ujinotsuyu.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表:永立 昌利
設立年:1980年
従業員:28名
事業内容:茶葉、ティーバッグ商品の製造・販売等

2023年12月

関連情報

ご相談・お問い合わせ

現地日系企業の皆様

最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。