ジェトロ対日投資報告2022
第1章 世界と日本の直接投資動向
第2節 対日直接投資動向

1. フローの推移

一方、財務省・日本銀行の「国際収支統計」 (資産負債原則)によると、2021年の対日直接投資額フローは、前年比55.0%減の3.0兆円で大きく減少した (図表1-2)。これを資本形態別にみると、株式資本が前年比425.0%増の2.6兆円、収益の再投資が同14.3%減の0.9兆円、資本関係にある企業間の資金貸借などを表す負債性資本は前年の5.1兆円からマイナス0.5兆円とマイナスに転じた。日本への新たな投資や増資の傾向を表す株式資本は、世界的なコロナ禍による経済・社会への影響などを受けた2020年から一転して大幅に増加し、過去最高となった。

図表1-2 対日直接投資額(フロー)の推移

〔注〕2013年以前は計上原則が異なるため、単純比較はできない
〔出所〕「国際収支状況」(日本銀行、財務省)から作成

2. 残高の推移

2021年末の対日直接投資残高(資産負債原則)は、40.5兆円で、前年比0.8%増の微増にとどまったものの引き続き最高値を更新した(図表1-3)。残高の対GDP比は7.5%となった。

資本形態別にみると、株式資本が前年比13.8%増の21.3兆円、負債性資本が前年比13.4%減の11.9兆円、収益の再投資が前年比5.7%減の7.3兆円となった。前述のとおり、2021年の対日直接投資額(フロー)は、負債性資本がマイナスに転じ、株式資本が大きく増加したことを受けて、残高に占める負債性資本の割合は2020年末の34.2%から2021年末に29.4%に縮小、株式資本の割合は46.6%から52.7%に拡大した。

図表1‐3 対日直接投資残高の推移

〔出所〕「本邦対外資産負債残高」(財務省、日本銀行)、「国民経済計算」(内閣府)から作成

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