見本市レポート 第17回中国西部国際博覧会

中国西部地域最大の総合見本市

ジェトロ参加報告

中国・成都
2018年9月20日(木曜)~24日(月曜)

第17回中国西部国際博覧会ジャパン・パビリオンの様子

中国西部地域最大の総合見本市である「第17回中国西部国際博覧会」が、2018年9月20日~24日、四川省成都市で開催された。成都市は、中国政府が推進する「一帯一路」構想において重要な拠点として位置付けられており、海外からはイタリアをはじめ90カ国以上の国がパビリオンを出展した。

消費者向けビジネスに手ごたえ

9月20日~24日に四川省成都市で、第17回中国西部国際博覧会が開催された。西部博は2年に1度開催され、今回は17回目。ジェトロは前回に引き続き、中国での内販拡大に意欲のある企業を支援するため、展示スペースを設けた。
ジェトロの展示スペースにはBtoC販売を主とする10社の企業が出展し、消費者向けに食品・健康食品や化粧品などのPRを行った。中国ではQRコードを利用したウェブサイトへのアクセスや電子決済が一般消費者に広く普及していることから、自社商品が販売されている電子商取引(EC)サイトや電子決済システムにつながるQRコードを用意して、消費者が手軽に購入できるように工夫しているブースもみられ、連日多くの来場者でにぎわった。

第17回中国西部国際博覧会 商談の様子

ジェトロ以外にも、広島県や公益財団法人にいがた産業創造機構(NICO)もスペースを設け、それぞれ地元企業が地場産品をPRした。来場者からは広島県産の日用品や日本酒、新潟県産の土鍋や工具などに関心が集まり、特に爪切りは初日でサンプルが売り切れるほどの人気だった。出展者からは「かなり強い購買力を感じた」といった前向きな声が聞かれた。
一方、BtoBの商談は難しく、サンプルと商品説明のみのところには人が集まりにくい傾向にあった。中国西部地域での博覧会は一般消費者向けの即売会としての側面が強く、今回の西部博でも商品を手に取り、その場で買って帰ることができるところに来場者が多く集まっていた。来場者からは「私たちは普段買えない商品を安い値段で買うために来ている」といった声も聞かれた。

西部地域と欧州のつながりが密接に

日本以外では欧州企業の出展が目立った。特に今回の主賓国のイタリアは、1,200平方メートルのパビリオンを設置し、フェラーリやマセラッティなどの高級車からワインなどの日用品まで、様々な商品を展示していた。このほか、ドイツやハンガリーなど成都から欧州向け貨物鉄道の沿線国からの出展が多かった。
成都から欧州へは2013年に貨物鉄道が開通し、これを利用して欧州からワインやチーズなどの日用品が輸入されている。四川省商務庁の発表によると、2017年の四川省とEUの貿易額は780億元(約1兆2,480億円、1元=約16円)と、国・地域別で3位となり、4位の日本(339億7,000万元)の2.3倍に上った。今後もこれらの鉄道を利用した、欧州との貿易が活発になることが予想される。
次回の西部博は2年後の2020年に開催される。2019年は同時期に、輸出入向け商品にテーマを絞った「西部国際博覧会 輸出入商品展」が同時期に開催される見込み。

主賓国となったイタリア・パビリオン

成都事務所 田中 琳大郎

見本市データ
見本市名 第17回中国西部国際博覧会
The 17th Western China International Fair(WCIF)
開催期間 2018年9月20日(木曜)~24日(月曜)
初回開催年/開催頻度 2000年/2015年より隔年開催
(偶数年:西部国際博覧会、奇数年:中国西部(四川)輸入展・国際投資大会)
開催場所 西部国際博覧城、成都世紀城新国際コンベンションセンター(2カ所)
出展商品内容 総合見本市(全業種)
食品、日用品、化粧品、雑貨、自動車、建設、機械、ICT、アパレル、サービスなど
出展者数 約6,000社・団体
来場者数 未発表
入場料 ビジネスパーソン:無料(登録制)
一般来場者:9元(約150円)
主催者 中国国家発展改革委員会、商務部、科学技術部、国家工商行政管理総局、中華全国工商業聯合会、中国人民対外友好協会、中国国際貿易促進委員会、四川省人民政府
事務局連絡先 四川博覧事務局
Tel:+86-28-86605081
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